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マヤ

『W旦那+(プラス)』第19話 (初デート)三代目妄想劇場

2017.11.15 03:55

「理愛ちゃん、初デートの記念で何かプレゼントしたいんだけど…」


夕食を食べてから、名古屋にあるサマンサタバサに理愛を連れてやってきた。



二人共ニット帽を被り、剛典は色の濃いサングラスを、理愛も色付きで大きめのサングラスをかけている。



どうやら剛典に気づいている客はいない。



「あの…私、その…なんてお呼びすれば…」



「そんな敬語使わなくてもいいよ」



「俺は名字が岩田だから、みんな"がんちゃん"て呼ぶけど…」



「それだったら、ウチの親父も同じ"がんちゃん"だもんね。」



理愛は薄く笑って聞いている。



店内の明るい照明に照らされ、透明感のある肌が更に輝きを増すよう…



その理愛を正面から見て、少し眩しささえ感じながら、



「理愛ちゃんには、剛典って呼んで欲しいな」



「…そんな…呼び捨てになんてできません」



「呼び捨てにしろなんて、言ってないよ」



目を細めて、爽やかに笑う剛典。



「そうだね…剛典さんでもいいけど…」



「剛典さん…」



少し恥ずかしそうにしている理愛。



(可愛い…)



「理愛ちゃん、どれか欲しいもの言ってみて。遠慮はしないでいいからね!」



繋いだ手をぎゅっと握って、はしゃいでいるように左右に揺らす剛典。



理愛はゆっくりサングラスを外し、

吸い込まれそうな深く青い瞳で、アクセサリーの並んだショーケースを見ている。



すると、ある商品の前で細い指先を優雅に上げ、



「これが欲しいです」と指差す。



サマンサティアラのプチネックレス。



ピンクのダイヤが可愛らしく輝いている。



「つけてみよっか?」



店員を呼び、ショーケースから出してもらったネックレスを、理愛の後ろに回って、

剛典がつけてあげる。



鏡に映る二人の顔。



珍しく興味を持ったような笑顔を見せ、

「可愛い…」と理愛が言う。



すぐ後ろで、理愛の腰に手を回して、

肩越しに頬をくっつけて、剛典も微笑む。



「じゃ、これに決まり」



店員は入店時の二人を見て、

初秋にしてはニット帽とサングラスという、

比較的着込んだカップルに、不思議な感じを抱いていたが、



今、輝くような二人の笑顔を見ていると、

なんとも言えない幸せな気分に包まれていた。



理愛はそのままネックレスを身につけ、剛典と手を繋ぎ店を後にする。



美男美女の上、ラブラブで羨ましいと溜息をつきながら、店員が2名笑顔で見送っていた。




End