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マヤ

『W旦那+(プラス)』第25話 (社長宅)三代目妄想劇場

2017.11.15 04:10

「また来月のデート楽しみにしてるね」



そう告げて、隆二達より先に帰国した社長夫妻へ理愛を届け、剛典は雑誌の撮影で、

イタリアへと旅立っていった。



「隆二は今夜の便で帰ってくるから、ゆっくりしてるといいよ」



社長が理愛に言った。



「あの…長くお休みしていましたので、今日は店を開けたいのですが…」



「そうか、あまりじっと部屋にいても気が滅入るだろうから、君がそうしたいのなら、店まで送るよ」



「はい」



「名古屋から帰ったばかりで疲れてないの?」



社長の妻は理愛の手を取り、優しく声をかける。



「はい…大丈夫です」



ふと、理愛の胸元に目をやり、



「あら、可愛いネックレス…理愛ちゃんがアクセサリーって珍しいわね」と妻が言った。



理愛は何も答えず、スッとネックレスに手を伸ばし考え込んでいる。



すると、自らネックレスを外して、



「あの…次こちらに来るまで、ここに置いていてもいいですか?」







「えっ?理愛ちゃん店に出てるんですか?」



日本に到着したその足で、まっすぐに社長宅へ駆けつけてきた隆二に、妻が告げた。



「ずっとお店閉めてたからって、自分で希望して…主人が送って行ったわよ」



「名古屋から帰ったばかりで、無理しなくてもいいのに…」



「私もそう言ったんだけど…」



「あっ…じゃあ俺、店へ行きます」



「あっ!今市くん…」



「はい?」



妻はネックレスの事が気になり、隆二に告げようとしたが、ふと思い止まった。



「あ…ううん、何でもない、ゴメンね」



「あ、はい…じゃ失礼します」



隆二は足早に社長宅を後にする。



(あのネックレス、ここに置いておくってことは、今市くん達に知られたくないのかも?)



(理愛ちゃん、今まで洋服やアクセサリーに興味を持った事がないのに…何か事情があるのかもね…まさか…岩田くんと?)



それ以上の余計な詮索はしないでおこうと、自分に言い聞かせた。




End