『W旦那+(プラス)』第26話 (理愛の店)三代目妄想劇場
2017.11.15 04:15
「ただいま!名古屋どうだった?」
リアの店へ入って早々、隆二が明るく声をかける。
自分の荷物をカウンターの横に置き、
「がんちゃん、いい子にして…」
と言いながら振り向くと、理愛の方からいきなり抱きついてきた。
「…どうしたの?何かあった?」
「いえ…なにも」
「ただ寒気がして…」
「えっ⁉︎」
理愛の額に手を当ててみる。
「熱はなさそうだけど…」
「知らない土地へ行って、疲れちゃったのかな?」
理愛はなにも言わず、細い腕を隆二の腰に回して、胸に顔を埋めている。
「無理に店開けなくてもよかったのに…」
髪を撫でながら言う隆二。
「すみません、オーナー」
「本当にがんちゃんと何もなかった?」
「はい…お食事して、お買い物したくらいです」
「そっか…今日はもう帰ろう。片付けはまた店開けた時でいいからね」
そう言ってシンクの方を見ると、洗い物などなく、キレイに片付いている。
「お客さん、誰も来なかったの?」
「はい…準備だけして、外はクローズの札かけたままです」
「やっぱり疲れが出たんだね」
左手を理愛の頬にあて、間近で顔を見てみる。
白い肌が更に透明になったようで、
頬にも唇にも赤みがない。
「あまり顔色良くないね…」
「タクシー呼ぶから、帰ろう!理愛ちゃん」
理愛の額にキスをする。
End