『憂鬱②』(続•臣隆妄想劇場67)ショートバージョン
2017.11.14 17:35
隆二「やっぱりいたよ…寒いのに風邪引くつーの…」
隆二はダウンジャンバーを羽織り、急いでマンションを出た。
すっかり日も落ちた公園のブランコに、臣はコートのポケットに両手を入れ、丸くなって座っている。
隆二は音を立てず臣の背後に回り、ポケットの中で温めておいた掌(てのひら)で、そっと臣の両頬に触れた。
「隆二…いつの間に?」
振り返った臣の表情を見ると、すぐに理解した。
隆二(うわっ…こいつすげー落ちてる…)
臣は冷たい手で、頬に添えられた隆二の両手を握る。
「こんなに冷えて…臣は自分ん家(ち)への帰り道、忘れちゃったのかな?」
「んなワケねーし…」
隆二(機嫌も良くない…)
「臣!早く帰ろっ!今日はカレーとハンバーグだよ」
隆二は事前に、今日キスシーンの撮影があると聞いていたので、
こんな事もあろうかと朝早く起きて、臣の大好物を下ごしらえしておいた。
臣「…ん」
隆二は、ゆっくり立ち上がった臣の左手をポケットから引っ張り出し、しっかりと恋人つなぎして歩き出す。
臣「誰かに見られても知らねーから…」
隆二「そん時はそん時だよ」
臣「……」
続く