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マヤ

『W旦那+(プラス)』第34〜35話 (臣のマンション②)三代目妄想劇場

2017.11.15 04:40


この場に隆二がいて、今のセリフを聞いたらどう思っただろう。



昨夜はNGで今日はOK。



理愛のいう大丈夫な日とそうでない日は、どういう基準で巡ってくるのか?



理愛の素肌が触れているのは、手の平と細い腕だけで、背中に感じる感触はガウンの生地のものだ。



(これでもし、理愛がなにも着てなかったら、俺瞬殺で落ちてただろな…)



腹筋辺りにある白い手を両手で握り、



「理愛、俺を選んでくれるの?」



臣の手の中で、白い手がピクッと動く。



(はい…と答えたら、すぐにでもベッドへ連れて行き迷わず抱くだろうな…)



しばらくなにも答えない。



「理愛?」



「私は…」



「私には選べません」





なにも言わず臣は振り向き、理愛を抱いて一緒に立ち上がる。



向かい合わせになり、理愛の肩に両手を乗せ、目を見ている。



「わかってるよ。お前には選べないよね」



「……」



「でもね、この国では2人の男性と同時に籍を入れることはできないんだ」



「俺は別に今のままでも構わないけど」



「お前が抱いてほしいって言うなら、俺を選んでくれなきゃそうなれないよ」



「では…無理ですね」



眉を寄せ、しばらく黙っている臣。



「俺たちの所に来てもう5年になるけど、そんなこと言うの初めてだね」



「……」



「隆二とも何かあったの?」



「いえ…」



臣の逞(たくま)しく引き締まった胸に直接顔をつけて、理愛が抱きついてくる。



「俺も…多分隆二も、こんな風に抱き合ったりキスしたりしてると…ほんとに辛いんだよ、理愛」



「我慢していらっしゃるんですか?」



「そりゃ…俺たち健康な男子だからね」



「……」



「忍耐のチュー…」と言って、臣から口づけをする。



舌こそ絡ませないが、柔らかい理愛の唇に触れていると、理性を貫き通す自分が恨めしく思える。



無理矢理にでも理愛を奪いたい。



一線を超えてしまえば、理愛も俺を選んでくれるかもしれない。



唇を離して理愛をギュッと抱きしめる。



「俺も相当キツいよ…」



「後先のこと考えないで、いっそ…」



「無理しないで下さい」



「えっ?」



「旦那さまには…他に大切な方がいらっしゃるんですよ」



(えっ⁉︎今なんて言った?)



体を離して理愛を見た途端、その顔が…いや空間自体が歪(ゆが)んで見えた…



「旦那さまが結ばれるのは、私じゃありません」



理愛の美しい声ではない。



空間の歪みと共に、理愛の声も地の底から響くように、薄気味悪く聞こえた。



立っていられなくなるほどの目眩(めまい)がして、目の前が真っ暗になる。





しばらくしてバスルームの床でうつ伏せになる臣に、白い手がそっと触れる。





「旦那さま?風邪を引きますよ」





End