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マヤ

『W旦那+(プラス)』第36〜37話 (臣のマンション③)三代目妄想劇場

2017.11.15 04:45


鼻をくすぐるいい香りがして目が覚めた。



眩しい陽の光が窓から差し込んでいる。



(えっ?おれ風呂入ってて…)



上半身だけ起こして自分の体を見てみる。



シルクのパジャマを着て、髪もキレイに乾いた状態で布団の中に座っている。



ベッドルームのドアが少し開いていて、キッチンの方からコーヒーのいい香りが漂ってくる。



(夢…見てたのか?)



(でも、確かに俺風呂入っていて…)



ノックもせずドアが開き、エプロンをつけた理愛が入ってくる。



「旦那さま、お目覚めですか?」



「理愛…俺いったい…」



「お疲れだったのでしょう」



「お風呂から上がられて、バスローブのままベッドに突っ伏してお休みになられたので、お着替えとドライヤーをお手伝いしました」



「…おれ、風呂で倒れてたんじゃ?」



「いえ…とても眠そうでしたが、バスローブをつけて上がってこられましたよ」



まったく覚えていない。



「理愛…風呂に入ってこなかった?」



「…先に入浴を済ませてから、バスルームには入ってません」



(全部夢だったのか?)



「朝食の準備ができておりますので、熱いうちにどうぞ」



「うん…」




どうにも腑に落ちないことが多く、首を傾げながらベッドから立ち上がろうとする。



一瞬、軽い目眩(めまい)があり、前によろける。



すぐに理愛が前に回り、臣の体を支えた。



「旦那さま、もう少し休まれていた方が…」



「ああ…軽い貧血みたい。食事を取れば治るだろ」



額の辺りを押さえながら、臣が言う。



「理愛…こんなガタイのいい奴、着替えさせるだけでも大変だったろ?」



「いえ、大丈夫でしたよ」



(こんな細い腕で、ふた回りも大きな男の着替えを完璧に済ませ、髪も乾かしたって?どうにも想像できない)



理愛に支えられながら、ふとベッド脇にある鏡に目をやる。



空港で見た隆二と同じだ。



目の下にくっきりとクマが浮かび、憔悴しきった様な青い顔をしている。



「理愛…」



気がつくと、臣の背中に手を回して抱きついている。



「旦那さま…昨日お帰りになられてから、一度も私に触れてこないんですね」



「……」



「ずっと寂しかったので…キスしてください」



臣の胸辺りから顔を上げ、長い睫毛(まつげ)を震わせながら目を瞑(つむ)っている。



「理愛…ごめんね。今はやめておく。俺やっぱり疲れている様だから…」



「そうですか。無理言って申し訳ありません」



そう言うと、臣の胸に顔を埋めた。




End