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ねこてん

猫 放し飼い時代の思い出/前

2017.12.05 12:58

昭和のお話。

私の実家は、緩やかな坂の途中にある。

もとは母の実家だったが祖母が体調を崩し、私たち一家が移り住んだのだった。

以前2階は下宿で、学生が間借りしていたこともあった。


1人がやっと通れる階段を上がった2階に、私と猫14匹が暮らしていた。

母屋とは出入口が別で、6畳間が3部屋に共同トイレと共有の流しがある。

そして、14匹のほとんどはナンパした子たち。


私は外で猫に出会うと、昔も今も声をかける。

「何しているの」「どこから来たの」「ウチへ来る」と、ついてきた猫がそのまま居着いた体だった。

朝、私が出かけようと動くと、既に階段下の狭い間口で、猫たちは待っている。

ドアを開けた途端、外の世界へ吸い込まれるかのように走り出る猫たち。

帰ればドアの前で、皆んな勢揃いをして待っていた。

1度も1匹も、帰って来ないというような事は無かった。


猫たちのリーダー的な存在、1番目に家に入れたビッコ、この子が賢い子で読み書き教えればイケルかもと思わせるほど。

今思えばビッコが、他の猫を統率してくれて、誰も迷子や事故にも遭わず過ごしていたのかもしれない。

ある日、ビッコが庭から大声で鳴いている。

様子を伺うと見知らぬ猫2匹といるではないか。

どうやら、お友達を家に招いたらしい。

その後も2匹は遊びに来たが、必ずビッコが一緒だった。


また別の日、母屋の居間で食卓を囲んでいると、押入れの襖が音もなく内側からスーッと開いた...ギャー!阿鼻叫喚!

ふと見ると、騒いでいる私たちの声に「うるせえ」と言いたげなビッコのしかめっ面がある。

今度はアハハ!大爆笑!

押入れへ侵入し寝てしまっていたのだろう。

ビッコ、鍵が掛かっていないドアは自在に開けられるのだ。


雨戸を半開きにしていたら、そこから屋根へ登る新ルートを開拓、僕も私もと上がったはいいが降りられずに、10数匹が屋根上で大合唱。


大雨の中、濡れるのも構わず猫たちが、庭の隅でぐるり円陣を組んでいる。

何事かと近寄ると、雨樋が壊れていてシャワーのように雨水が吹き出しているのが面白いらしく、皆で凝視していた。


星飛雄馬のような眉毛をイタズラ書されて帰ってきたり、近所で別の名前で呼ばれているのを目撃してしまったり...あー、夢のように楽しい日々。

出来得るならば、もう1度、自由にのびのび猫と暮らしたい。


  【 ねこてん 】

http://www.nekoten2015.com