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マヤ

『憂鬱⑩』(続•臣隆妄想劇場75)ショートバージョン

2017.11.14 18:20

隆二「なに?見せたい物って」




臣は撮影現場近くの広場に設置された巨大なクリスマスツリーの前に隆二を連れてきた。




隆二「わーっ…そっか、もうすぐクリスマスだね」




ブルーの光を放つクリスマスツリーは、恋人達をロマンティックな気分にさせる。




空から粉雪が舞い始めた。




隆二「あ…雪だ…」




隆二の手の平で、白い雪が儚く溶けた。




臣は隆二のマスクを少し下げ、上唇だけ覗かせた。




「おみ…?」




「やっぱ外だから、少しセーブ…」




そう言うと、自分のマスクも少し下にずらし、隆二が愛してやまない、厚みのある唇が顔を出した。





マスクから出た部分を軽く重ね合う二人。




いつものように深いキスができないことが、余計に感情を高める。




臣は離れぎわに「ちゅっ」と大きく音を立てた。




「ワザと?」




「うん…音だけでも…ね」




唯一外に出ている臣の目が優しく笑っている。




隆二はたまらなくなり、正面から臣を抱き寄せた。




「そんなにキツく抱きしめると、息ができないよ…」




ちっとも苦しくなさそうに、明るい声で臣が囁く。




美しいクリスマスツリーと二人の上に、真っ白な粉雪が舞い続けた。