手で歩く8
人間は車のように直線を移動していないということがこのシリーズでわかって頂けたと思います。
ロボットが不整地を歩くのにもの凄く様々な機能を使っています。
しかし、人間は足の裏にあるセンサーで不整地を感じ反射的に最適な重心を作って移動しています。
つまり目だけでなく足の裏の皮膚感覚や体幹などの位置感覚などによって不整地を歩行していると言えます。
ちょっとした不整地であってもロボットには乗り越えることが困難です。
人間が簡単に行える動作がロボットには困難だということがロボット開発の様々な動画を見てもわかります。
カクカクした動きは波を作っていないからです。
モーターの力で足をあげ、モーターに力で前に踏み出しています。
人間は足の力で歩行しているのではないことがこのことを考えてもよくわかりますよね。
どのように移動しているのか?
倒れているのです。
どこかに異常を起こした人の歩き方は足で動こうとするのでロボットに近い動きをします。
そういう動作を皆さんはよく観察すると思います。
あの歩き方は人間の歩き方ではないと言えます。
人間のロボット化ですね。
だから腰が引けて膝が曲がる訳です。
膝が起点になっています。
だから無理な力が足首や膝、腰にかかります。
これがエネルギーが片寄った力になっている訳です。
倒れながら歩くと背筋は自然に伸びます。
伸びないと倒れられない。
足の裏の波の話しをしましたが、これは平面的な話しですね。
地面という平面上の話しを言えば左右に蛇行して進んでいる。
蛇のような移動が基本ということです。
不整地は上下左右に変動しますので更に難しいと言えます。
でも基本は平面の歩行です。
基本ができないのに不整地は歩けない。
これと同じことが言えるのは合理的に歩けないのにスポーツはできない。
ということです。
人間の歩行は身体の中心である股間あたりに蛇を飼って歩行しているようなものです。
これがまた面白い。