手で歩く10
体が横に揺れするということは、どこかでそれを元へ戻す力が働いていなければなりません。
それがなければそのまま倒れてしまうはずです。
右足に体重がかかった時に足底の外側に力がかかりますが、その時には必ず膝の内側にも力がかかります。
もちろん股関節の外側にも力がかかります。
これらの線をつなぐと足首から膝、膝から股関節、股関節から腰、腰から肩、肩から首へと蛇行する ラインが出来上がります。
このように全体の上下と左右、前後で波を作ることによって人間は移動しています。
関節は蛇行するエネルギーを貯めながらエネルギーを逆方向に変換する装置とも言えます。
つまりターンするところです。
だから問題が起こりやすい訳です。
穴も関節に多く集まっているのはそのためです。
どこかに不具合が起こることによって全体のバランスが崩れるからエネルギーのターンするところで異常をを起こすのです。
つまり異常のある関節は気の流れ(意識の流れ)も不具合になった状態となり、その結果異常を起こす訳です。
しかし、ここで東洋医学的な問題があります。
基本的にエネルギーの流れである経絡は、縦方向に流れています。
なぜでしょう?
私の解釈はこうです。
古来から伝わる図には縦方向に線として表現されていることが殆どですが、この線という考え方自体がおかしいのではないかと考えています。
経絡は細い線ではなく太い線と考えた方が臨床上合います。
これは経絡の望触診をしているとわかることですが、経絡図のような線ではなくかなり蛇行しています。
そして太さも太くなったり細くなったりしています。
これは経絡、奇経、経別、経筋と言った経路が内在しているからであり、その一番太い線が経筋です。
経筋の中を経絡、奇経、経別がそれぞれの深さを変えながら混ざり合いながら走行しています。
これらの総称を経絡と呼んでいるはずです。
そして異常経絡は太くなり、エネルギーをため込み蛇行します。
エネルギーが整うと経絡は所定の位置で細く存在します。
穴は経絡の流れのエネルギーが最大になる頂点だと考えると辻褄が合うように思います。
そして想像以上にかなり移動します。
つまりエネルギーの流れを読みきれなければ鍼灸治療はできないということです。
教科書どおりに取穴しても意味はありません。
だから何々の異常にはこの穴を刺激する!!
というようなやり方ではうまくいかなかったりするのです。
うまくいくときもありますが、うまくいかない時の方が多い訳です。
当然ですが、痛みのあるところだけを治療しても良くならないのは当たり前ですね。
東洋医学の良いところは、身体の中にエネルギーの流れがあるとすることです。
それが関節や筋肉だけではなく内臓とも関係しているというところを説明しているところです。
つまり前後左右上下だけでなく、内側と外側にも波があると言っている訳ですからね。
全ては力の流れです。そしてそれが効率よく流れるかどうかということにかかってきます。
これらのエネルギーを効率上げることによって健康状態は保たれ移動し捕食することができるわけです。
これができなくなった状態のことを東洋医学では病気と言っています。
器質的変化を病気と言っているわけではありません。
つまり器質的変化があったとしてもエネルギーの流れが正常であればそれは病気とは言わないわけです。
すべては動きにつながっています。
動かないところを動かすようにすることが健康状態を保ち、良い精神状態を保つことができるということです。
精神は肉体を動かすためのエネルギーの源です。
東洋医学ではそれを元気と言っています。
先天の気、後天の気とも言っています。
難しいことはさておきエネルギーの流れ=動きであるということをご理解いただけたと思います。
全てはつながっていくのです。
身体のエネルギーは空間を飛び越えてつながります。
人と地球と宇宙につながっていく訳です。