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No.618「がんばった先に見える世界」「遊びの中から」「オリンピック お祭り騒ぎの陰で」「やっぱジュースは無農薬よね」

2021.08.07 07:26

2021.08.07.No.618


「 がんばった先に見える世界 」

なな.

 こんなにオリンピックを見たことはない。というほど毎日くぎ付けになっている。スポーツお宅を自称する高志の話をいつもは「そんなに?」と内心思う時も少なくないのだが、やはり地元開催のオリンピックは違う。色々な科競技が中継されているので、チャンネルを変えながら、たくさんの種目を観戦している。 

 高校時代にやっていた体操はもちろん。自分自身ちょっと意外なほど応援している。我が子たち位の年齢の若者が「がんばる姿」に思わず声をあげて応援したりしている。一緒に力んでいたり、思わず身体が動いたりするのにはちょっと笑ってしまう。全身全霊で頑張る姿には、人を感動させ、応援させる力があるんだな。と改めて思う。

  早くに父を亡くした長男が、今年就職をする前に「親父と話してみたかったな」とぽつりと言った。新しい世界に飛び出す前の不安が伝わってきた。とらおに私がよく言われた言葉を伝えた。 

 「出し惜しみするな。倒れるまでやれ。」 

当時は「何を言っているのだこの人は?私が倒れたらどうするの?自分がやれば?」 なんて思っていたのだが、オリンピックを見ながらとらおの言葉を思い出している。全身全霊でがんばった先にはきっと今まで見えなかった世界が待っているのだろう。


「 遊びの中から 」         

高 志 

 気温だけなら、関東よりも東北・北海道の方が高いという現象が続いている。そんな中でお水採りをしていると、村人から『暑いべ~!?』と声をかけられるのだが、その後すぐさま『やっぱり東京の方が暑いか?』とたたみかけられる。  

 気温は低くても、間違いなく湿度が高いため、空気の重さに活動停止状態に陥ってしまうのが東京を中心とした首都圏である。 

 そんな状況下において行われているオリンピックで、心が動かされている。特に湾岸エリアで行われたスケートボード。青海に設置された会場では、照り返しもあり、日中は40度を超える数字が表示されていた。 

 その青海で今までにない輝きを放っていた10代の若者たち。プレッシャーなどまるで無縁であるかのように、チャレンジをしたものをその場に参加しているプレイヤー全員がたたえ合っていた姿には、新たなる競技の姿を見せられた思いだ。 

 そして、そこには遊びが存在していた。遊びの中から楽しむ姿勢を貫き通す。今までの競技の中でも『楽しみたい』という言葉を耳にしてきたが、そこには遊びは無かった。 

 競技における重圧から逃れるために、楽しむという言葉を使う訳では無く、遊ぶのだから楽しくない訳がない。楽しいから全力で挑める。全力で挑むから、結果を問わず楽しい。 

 オーガニック七菜での代表メニューとなった『ちゃんとごはん』は遊びの中から生まれたメニューだ。まだ店舗を構える前のこと。様々なイベントに出店しながら、遊んでいた。そのイベントに参加するため、そうイベントに遊びに行くにはお金がかかるので、その費用を工面するために出店していたのである。 

 当初は『玄米おにぎり』や『トラさん特製のカレー』がメインメニューであった。そこに少しずつ惣菜を出すようになり、そのうち数種類の総菜全部とおにぎりを一皿に乗せてほしいと言われることが増えていった。そうした要望は他の出店仲間やイベントスタッフからが多く、やがてちゃんとしたものを食べられるようにと、現在の『ちゃんとごはん』に近いスタイルでご提供したのが始まりだ。 

 イベントに出されている食事類は、大概がお祭りメニューで、普段の生活では目新しいものばかりなのだが、そればかりだとやはり胃が疲れてしまう。そこに、野菜を中心とした家庭料理が恋しくなるのは必然なのだろう。 

 『ちゃんとごはん』を食べに来てくれるお客さんが決まって口にしていたのは、『食べるものが無いので、本当に助かります』という言葉だった。そしてイベントの最終日には『また食べに来るから、来年も必ず来て下さいね。』という言葉を残して行かれるのだ。 

 そんな事を繰り返しながら、イベントの中で、遊びの中で『ちゃんとごはん』が定着していった。イベントではない、店舗というスタイルになっても『ちゃんとごはん』は人気メニューであり、オーガニック七菜の代名詞でもあり続けている。 

 初めて来られるお客様は、『ちゃんとごはんだって!?』とそのネーミングの奇抜さに興味を引かれるようだが、そこは遊び心を維持しながら、いつまでも人気メニューであってほしいと願うばかりだ。 

 今回、様々な意見が飛び交い、必ずしも日本が一つになって開催された訳では無いオリンピックで、遊びの大切さを思いださせてくれた。笑顔は免疫力の向上にもつながると言われている。 

 この頃、つくづく思う、若者たちから教えられる事が何と多いことかと。昨年からのコロナ禍において、若いお客さんが凄く増えた。ますます、若者たちから学ぶことが増えそうだ。 


「  オリンピック お祭り騒ぎの陰で 」     

上田 隆 

 TBS NEWS で7/24(土) 19:03配信された記事です。日本政府が国民である人間をどう扱っているのか、よく解る事件です。報道をそのまま掲載いたします。 


 オリンピック関係者の特例入国をめぐって注目される水際対策ですが、海外から帰国する日本人に対しては、今も「14日間の隔離」や「公共交通機関が使えない」といった厳しい制限があります。病気の母親に一目会いたいと帰国した女性の悲劇から、日本の水際対策の矛盾が浮き彫りになりました。  

 コロナ禍に続々と、特例で入国してくるオリンピック選手たち。選手に加え、数万人のオリンピック関係者については、14日間の自主隔離などが免除され、国内線や新幹線などを使って移動することもできます。  

 その一方で、海外から帰国した一般の日本人には、隔離措置の免除はありません。たとえ、親の死に目に会えなくても・・・。  

 「(親族から)『もう長くない』と言われた。『母の容態が急変した』と」

 危篤になった母親に一目会いたいと、急きょ、アメリカから帰国した女性。羽田空港に到着後、国内線を乗り継いで九州の病院に向かおうとしたものの許されず、14日間の隔離を求められました。  「(検疫で)『公共の交通機関は一切使えない』と(言われた)。(母が危篤で)不要不急だから国内線に乗れるか聞いたら、『レンタカー借りて、14時間かけて運転してくれ』と言われた。『私は免許がないです』と言ったが・・・」

  女性は、出発前と入国時に、新型コロナの検査を4回受け、陰性を確認。さらに、アメリカで2度のワクチン接種も済ませていましたが、公共交通機関に乗ることが許されませんでした。 

 「『自腹でもう一度検査してもいいから国内線に乗せてくれ』と言ったが、『それでもダメ』と検疫で言われた。(隔離中に)母が亡くなったらどうしたらいいか聞いた。そうしたら『亡くなってもそれしかない』と言われた。なんで、何しに来たんだろう。実際に直に会いたいですよ。元気で居てくれる事を祈るしかないです」 

  女性は自身もがんの手術を受けたばかりで、アメリカでの検診を受ける必要があったため、14日間も待つことができず、母との再会が果たせぬままアメリカに帰っていきました。

  オリンピック関係者への様々な特例がある一方で、ワクチン接種まで済ませて帰国した日本人に突き付けられる厳しい措置。世界の国々では、人道的な配慮もあります。 

  「イギリスでは、親族が危篤だったり葬儀があったりする場合は、例外措置として一時的に隔離場所から離れることができます」(記者)

  イギリスでは、親族の危篤や葬儀の場合には、一時的に隔離を中断でき、公共交通機関での移動が許されます。 

 「韓国では、ワクチンを打った人は、葬儀や見舞いのために、公共交通機関を利用することができます」(記者) 

  韓国でも、ワクチン接種を終えた自国民が親族の見舞いに行く場合、隔離が免除され、ワクチンを打っていなくても、葬儀のためには、公共交通機関での移動が許されます。 

  「日本の政府に対する怒りがありましたね。あの時会わせてもらえていれば。きっと冷たい娘だと思っていたんじゃないかと」(母に会えなかった女性)

  無念の一時帰国からおよそ1か月後、母親は、12年間娘に会えないまま息を引き取り、女性は葬儀に出ることも叶いませんでした。 

  「もう母は戻ってきませんから、非常にやるせない思いです。せめてそういう(肉親が危篤の)人だけは国内線に乗る前にもう一回検査をして、陰性なら乗せるとか。日本政府は日本国民に犠牲を強いて外国人には甘いと言うか、なんか不思議な・・・、ちょっと考えられないですよね」(母に会えなかった女性)

  オリンピック関係者に対する特例措置と人道的配慮の大きなギャップ。日本の水際対策の矛盾が浮き彫りになっています。