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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

第1回十字軍4-レコンキスタの英雄?エルシド

2017.12.07 05:49

巡礼といえば、スペインのサンチャゴ・デ・コンテスポーラへ行きも盛んになった。これはイスラム退治である。サンチャゴこと聖ヤコブは、「ムーア人殺しのサンチャゴ」というゴルゴ13のような異名をつけられ、レコンキスタのシンボルとされた。ナバラ王サンチョ3世は新しい聖堂を建設した。

そしてこの時期、レコンキスタの英雄が登場する、ロドリゴ・ディアスことエル・シドである。彼の実像は、前田慶二のように剛勇だが気骨があるというかなかなか難しい騎士で、カスティーリャ王アルフォンソ6世から何度か追放されている。

彼は勝手にトレドに攻め込んで大勝利をおさめた。1085年そのおかげで王はトレドを奪還した。しかしシドは、前王サンチョ2世の暗殺され、アルフォンソ6世が即位するときに、「暗殺の犯人ではない」とエル・シドから誓いをさせられたことを根にもっていて、遂に追放された。

追放されてからは、イスラムにもキリスト教にも傭兵暮らしをしていた。しかしイスラムのアルジェリア王ユースフが上陸し、1086年アルフォンソ6世を敗北させると、シドは逆にイスラムの拠点バレンシアを奪取する。1094年、バレンシアにユースフが迫るとこれを迎え討ち、2万の大軍を向こうにして大勝利を収めた。こうして彼はキリスト教の英雄として祭り上げられた。

下はチャールトン・ヘストン主演映画「エル・シド」