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マヤ

『W旦那+(プラス)』第38~39話 (寿司屋①)三代目妄想劇場

2017.11.15 04:50

メンバー行きつけの寿司屋。



勢いよくドアを開け、つかつかと臣が入ってくる。



「いらっしゃいませ」と声をかける店員の方を見ることもなく、カウンターに座っている隆二の横に来る。



「臣?」



くいっと隆二の顎を上げ、至近距離でその顔をまじまじと見る。



「ど…どうしたん?臣ちゃん」



隆二の隣に座っていた健二郎が聞く。



「ちょっと!いきなり入ってきて顎クイって…なんだよ?」



隆二がムクれて言う。



「顔色良さそうだな」



「そういう臣こそどうしたの?今にもぶっ倒れそうな顔してるよ」



「ホンマや、どないしたん?すげぇ顔色悪いで!」



隆二の顎にあてた手を離して、カウンターの椅子にどかっと座る。



「水…ください」とカウンター内の店員に言う。



「理愛ちゃんは?」



「今日も店に出てるよ。今ジェネの涼太と龍友が来てる」



一気に水を飲み干す。



「そっか…」



「で?なんなの?さっきの顎クイ」



「俺がおったら話しにくいんちゃうか?」



「いや…全然構わないよ。健ちゃんも知ってる人のことだし」



「リア姉のことか…今も隆二とその話してたとこや」



「そうなの?」



「うん」



「あ!でも、俺ラジオの打ち合わせがあるから、そろそろ行くわ」



「気をつけてね、健ちゃん」



「なんか…ゴメンね」と臣が言う。



「臣ちゃんらしくない。あんまり思い詰めた顔しとったら、早く老けるで」



臣の肩をポンと叩いて、健二郎が店を出て行く。





臣と隆二は二人でカウンターに並んで座り、しばらくは何も語らずに、お互いに前を向いたまま深い溜息をつく。



少しして「俺、生ビール下さい」と臣が言った。



チラッと隆二の方を見て、



「お前さ…」



「なに?」



「何か相談があるなら、健ちゃんでなく、真っ先に俺に話するのが筋なんじゃないの?」



「ああ…さっき健ちゃんが言ってたやつ?」



「俺も少し調べないと確信が持てなかったからさ」



「何かあったの?」



「臣のほうこそ、さっきの何?」



「俺の方は後でいいから、先に聞かせろよ」



「ん…」



「てか…臣大丈夫なの?顔色悪いよ」



「今んとこね」と言って、ビールを一口飲む。



隆二は自分のスマホを取り出し、画面を臣に見せる。



『nnhjhjhlhj nnhjhjhl』



あの不可思議な文字が並んでいる。



「なにこれ?」



「臣を空港まで迎えにいった日の前の晩、

理愛ちゃんのスマホをたまたま見てしまって…」



「この文字が打ってあったの?」



「うん…」



あの夜、隆二は咄嗟に理愛のスマホから、自分のアドレス宛にメールを送信した。



あの不可思議な文字が、どうしても気になったからだ。



「入力ミスじゃないの?」



「理愛ちゃんも寝ぼけてたって言ってたけど…」



また、スマホを操作する隆二。



「これ…」



別の画面を臣に見せる。



『んゆゆよゆ んゆゆよ』



「あっ…これって、俺らがパリに行く前の…」



「そう!理愛ちゃんが間違って打ったんじゃないかって言ってたあれ…」



「それが?」



「ちょっと気になって、健ちゃんと色々入力して調べてたんだけどさ」



「うん」



「ちょっと見ててよ」




End