助走のための走りのキホン
こんにちは、中京大学大学院の中山です。
冬季練習もあっという間に過ぎ、シーズンが始まりましたね!
存分に鍛えた力が発揮されることを願っています!!
さて、今回は「助走のための走りのキホン」についてです。
みなさんがご存知のように棒高跳では、助走が高いバーをクリアするための重要な要因の1つです。いくつかの大会のデータから、助走の最高スピードが高いほど、跳躍高が高いことが示されています(小山ほか、2018;2019)。
そのため、走る速さを高めることはボウルターの競技パフォーマンス向上に重要だと考えられます。
助走に関する記事がこれまでにもいくつかあるのでぜひご覧ください!
皆さんも速く走ることを目指して様々なトレーニングを行っていると思いますが、そのトレーニングが走りのどの局面における能力を鍛えることを目的としているのか、意識したことはありますか?
一般的に”走る”には、2つの局面があるとされています。
それは、”加速局面”と”最大速度局面”です。
“加速局面”
=身体が静止した状態から速度を急激に高める局面。
“最大速度局面”
=加速後に速度が高まった状態からより速度を高める局面。
短距離走で考えると下のようなイメージになります。
また、加速局面と最大速度局面ではその動作や力の作用の特徴が違います!
加速局面
体幹部を前傾させ股関節と膝関節が伸展している。
推進力が高い(地面反力の水平成分が高い)。
最大速度局面
股関節を伸展させて大腿を後方に素早くスイングし、遊脚(地面から脚が離れた後の振り戻し足)を素早く前方に引き戻している。
地面に対する下向きの力が高い(地面反力の鉛直成分が高い)。
接地から脚が身体の真下にくるまでの間(接地期前半)のブレーキ成分が小さい。
このように疾走能力といっても、それぞれの局面で求められる能力が違います。
例えば、練習時の競争ではスタートからしばらくは先行するものの後半になると抜かれてしまう人もいるかと思います。
もしかしたら、最大速度における動きの理解もしくはトレーニングが不足しているかもしれませんね。。。
疾走能力の違いを理解し、今行っているトレーニングがどの能力を高めているかを意識することは、トレーニングの質をより高めると思います!
ぜひ、自分の走りのトレーニングが何を目的にしているかを確認してみてください。
以上、走りのキホンでした!
走りは、たくさんの研究者やコーチが試行錯誤し、研究されてきた奥が深いテーマです。
特に棒高跳ではポールを持って走るといった特徴があるので、まずは通常の走りについて理解することが、速くて正確な助走につながるかと思います!
これらからも走りをテーマに書いてくので乞うご期待(°_°)/