Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

マヤ

『W旦那+(プラス)』第45~46話 (理愛の店~街中)三代目妄想劇場

2017.11.15 05:10

翌朝、「リアの店」に4人の姿があった。



夜は理愛を社長宅まで送り届けるという条件で、2日間デートの許可を出した。



臣と隆二は作ったような笑顔で剛典に理愛を託す。



臣「今日と明日、理愛をよろしく頼むね」



隆二「ゆっくりデート楽しんでね!がんちゃん」



2人は顔を引攣(ひきつ)らせながら、ニコニコしている。



(いったいどういう風の吹き回しやら…)



どうにも腑に落ちない剛典だったが、

「じゃ…行こっか」と言って理愛の手を引き店を後にする。



(正式に交際を認めてもらおうって思ってたけど、なんか調子が狂った)



(まぁ、そんなに焦らなくてもいいか)



剛典はマスクをつけながら、隣を歩く理愛を見る。



全身から光を発しているように美しい。



「剛典さん」と言って立ち止まる理愛。



「ん?なぁに?」



「いただいたネックレス、上手く付けることができなくて…」



理愛はバッグからネックレスを取り出す。



「ん!わかった。後ろ向いて、理愛ちゃん」



「はい」



理愛の後ろからネックレスの金具を止める剛典。



「いいよ」



「久しぶりだね」



剛典はそう言って、軽く理愛を抱き寄せる。



「はい」



少し頬を赤くする理愛。



「キスしたいけど…また後で」



理愛の耳元で、剛典が優しく囁いた。





隆二「な…なにあれ?まだ店出たとこなのに、もうイチャイチャして…」



臣「しっ…声がデカイ」と隆二の口を塞ぐ。



剛典と理愛から5m位離れた、人一人がやっと通れるような路地に潜む臣と隆二。



二人はジーンズを履き、白いTシャツの上に赤いチェックでフード付きのシャツコートを羽織っている。



同じブランドのペアルックでカップルに扮した。



二人共、黒のニット帽と大きめのマスクで顔のほとんどを隠している。



二人はショルダーバッグを下げ、中にはクロスと聖水を入れている。



大蒜(にんにく)は匂いで気づかれそうなので置いてきた。



隆二「ちょっと…臣!狭いからあんまりひっつくなよ」



臣「一応設定は俺が彼氏で、お前がボーイッシュな彼女役でしょ?」



隆二「なんでもいいけど…それよか今がんちゃんネックレス付けてあげなかった?」



臣「つけてたな」



隆二「プレゼントしたのかな?」



臣「理愛、そんなネックレス持ってなかったけど」



隆二「俺たちに見つからないように隠してたのかも?」



臣「それって…」



臣が言いかけてすぐ、二人の後ろから声がした。



「ちょっと、通してください」



路地から出てきた老婦人が、不審者を見るような目で二人を見ている。






「あっ!…すいません!もうっ、広ったらこんなとこ連れ込んでなにする気よ!」



隆二が咄嗟に裏声を使い、女を装う。



臣「きゅ…急にイチャつきたくなったからしょーがねーだろ」



老婦人はすぐ近くに立ち止まって、更にしかめっ面をして二人のやりとりを見ている。



しばらく老婦人の様子を見ていた臣がいきなり



「隆子(たかこ)」と言って、隆二を正面から抱き寄せる。



「ば…なにすん…」



「黙ってろ‼︎演技だよ、演技」と隆二の耳元で小さく囁く。



臣に抱きしめられ、大人しくなる隆二。



「こんな朝っぱらから…まったく今の若いもんは…」ブツブツ言って老婦人は遠ざかっていった。



しばらく路地の角で固く抱き合う二人。



臣「行った?」



臣の肩越しに婦人の姿が遠くなるのを確認して、



隆二「行ったよ」



抱きしめた手を緩める臣。



隆二「お前さ。演技でこんなに強く抱くことないだろ」



隆二が顔を赤くしている。



「あのさ…」と言いかけた臣を制して、



「ヤバっ‼︎臣っ!がんちゃんたち離れて行っちゃうよ!」



「やべっ!」



慌てて追いかける。



小走りしながら「たかこって誰だよ?」



呆れた顔をしている隆二。



「しょうがねぇだろ!咄嗟にそれしか出てこなかったんだから…」臣が言う。



「俺も広くんなんて呼ばれたことねーよ」



お互いにブツブツ文句を言い合いながら、二人の跡を追った。




End