成績をグンと伸ばす主体性の3ステップ&主体性を高める会話例
「成績アップのために、一番必要なことってなんですか?」
先日の総会で、多くの教室長(写真の方もその一人)に出会うことができたので、
手当たり次第に訊いてみました。勝手に教室長アンケートです。
もちろん色んな答えが出ましたが、
一番多かった答えは、僕もとってもしっくりくるものでした。
折角だからもっともらしく言ってみましょう。
成績アップに最も必要なこととは…
成績アップに最も必要なことは、「主体性」だ。
どーん、みたいな効果音は各々でつけていただきましたでしょうか。
そうです。成績アップに最も必要な要素とは、「主体性」。
今日はその主体性の持たせ方を、とある学習塾に通う生徒Aくんを例に挙げてみていきましょう。
生徒Aくんの主体性獲得までの物語:プロローグ
宿題忘れの常習犯であるAくんは言います。
「先生、おれ勉強したくない」
これは危険な徴候です。教室長は探りを入れてみます。
「なんで勉強したくないのかな?」
「面倒臭いから」間髪入れずにAくんは言いました。
ここできちんとした勉強したくない理由があれば話は早いのですが、
この理由では教室長サイドも納得がいきません。
どうやらAくんは勉強する目的を失っているようです。
急なAくんの申し出に教室長は困っています。
それではここで一旦話を主体性に戻してみましょう。
そもそも主体性って何?
Aくんの暴走っぷりは一旦さておき、
ここでは、主体性を持った生徒とはどういう生徒なのか例を挙げてみましょう。
- 勉強する目的を持っていて、そのために使う時間を自ら確保している
- 宿題の意図を把握していて、毎回きちんとやってくる(それ以上のことをやってくることもある)
- 失敗を他人や他の何かのせいにせず自分を省みて打ち手を考え次に活かすことができる
- 何に対しても「楽しもう」「チャレンジしよう」というポジティブな姿勢がみてとれる
こういう生徒はたしかに成績が伸びそうです。なんたって本人が伸ばそうとしていますからね。しかも、「伸ばしたい」という口先だけではなく、「伸ばす」ための行動をしているということがポイントです。これを3つのステップに整理してみましょう。
(1)自らが行きたい場所(やりたいこと)を見つけて、
(2)そのために何が必要か自分で考えて、
(3)それを踏まえて恐れずに貪欲に行動ができる。
この3ステップこそが、主体性の正体なのかもしれません。Aくんにもこうなって欲しい!と思った学習塾の教室長は、これを参考に、まずは(1)だけでもAくんに見つけてもらおうと会話を続けてみることにしました。
生徒Aくんの主体性獲得までの物語:エピソード(1)
「Aくんはさ、行きたい高校はないんだっけ?高校でサッカー部入りたいって言ってなかった?」
「サッカーはやりたい」
「具体的には行きたい高校はあるの?」「わかんない」
「例えばこの辺だと◯◯高校や◯◯高校がサッカー部強いよね。あ、△△選手知ってる?」「うん」
「あの選手、この高校出身」「え!そうなの」
「ここいいじゃん。Aくんの性格とも雰囲気あってると思うよ」「まじ?」
「じゃあ仮でここを目標にしてさ、そしたら内申いくつ必要かわかる?」「ううん」
「◆点」「お、もうちょっとじゃない?」
「そうそう、もうちょっとなんだよ。これからも大体毎回のテストで◯点ぐらいとっておくと安心」
「◯点?全部の科目?」
「うん、大体全部。全科目内申には入るから。高校入ってからも部活に専念したいなら、今のうちに勉強の貯金貯めておかないと、テスト悪かったりしたら補習とかで部活出れなくなるよ」
「まじか」
「まじだよ。そうさせたくないから、先生たちは嫌われるのを承知でAくんに愛を込めて宿題を出すわけじゃん。宿題ってさ、なんで大事かわかる?」
「なんとなくわかるけど」
「人間って一時間経つと半分忘れるからさ、宿題やらないと次来たときにはもうほとんど忘れちゃってるんだよ。それじゃ折角やったのに勿体無いでしょ。Aくんが自ら何をやればいいか把握して復習を自主的にやってきてくれるならいいけど、次回からそういうシステムにする?プロサッカー選手でもいるでしょ、自分で全部練習メニュー決める人」「えー、それはきつい」
「だから、先生たちがトレーナー役をやってるんじゃん。でもそれをやらされてる感満載で面倒臭いって言われたら先生たちはどう思う?」「ふざけんなって思う」
「わかってるじゃん。じゃあこれからは宿題は自分の意志でやりなさい。できる?」「うん」
…とまぁ、なんとかうまい具合に話が転びましたね。
ここで重要なポイントは、目標設定です。本来であれば、目的から逆算して目標を決めていくのが筋なのですが、それが見え難い場合、近い目標から一緒に決めていくと効果的です。目標とは旗のようなもの。その旗が高く見やすく力強く掲げられていれば、そこを目指す足取りは自然と軽くなります。
Aくんは今回とりあえず「△△選手の行っていた高校へ行く」「内申◆点とる」「テストで◯点とる」と3本の旗を自分の未来へと打ち立てました。これで一旦「勉強する目的」ができたわけです。まだまだ(1)(2)(3)の主体的3ステップには程遠いですが、とりあえず一歩目を踏み出した感じです。
長くなってしまったので、エピソード(2)やエピソード(3)についてはまた後日にしましょう。
あ、上記の目的と目標はあくまで例ですのであしからず。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
主体性を持つと子どもでも大人でも成長速度が変わっていく。