「A CHILD'S GARDEN OF VERSES」Robert Luis Stevenson Jessie Willcox Smith
いつの間にか年の終わりの最後の月で、今年は寒さも例年より厳しい気がします。
パリの古本屋へ御礼のメールをしたら、私が帰った日、12月1日には初雪が降りました、と返事が来ました。
横浜はまだ雪は降らないですけれど、朝晩は冷え込み、こんな季節には毛布にくるまって、そこから手と頭だけを覗かせいつも、本を読みたくなります。
暖かい、過ごしやすい季節に外へ出て本を読むのも良いのですけれど、部屋の中に閉じこもって物語を読むと、より深くその世界へ入って行ける気がするので、冬の読書はいつも何処か親密です。
こんな気分を歌っている詩がひとつ。
当店でも度々紹介しているロバート・ルイス・スティーヴンソンの「A CHILD’S GARDEN OF VERSES(子どもの詩の園)」の一篇「PICTURE-BOOKS IN WINTER」です。
この本は色々な絵本作家やイラストレーターが挿絵を描いておりますが、本日はジェシー・ウィルコックス・スミスが描いた本です。
Summer fading, winter comes-
Frosty mornings, tingling thumbs,
Window robins, winter rooks,
And the picture story-books.
こんな風に、冬の情景から始まり、やがてこの詩を歌うその子どもは絵本の中に入っていきます。
All the pretty things put by,
Wait upon the children’s eye,
Sheep and shepherds, trees and crooks,
In the picture story-books.
部屋の中に閉じこもっても広がる無限の世界。読書の、一番最初の幸福を思い出させるような、そんな詩なのです。
ジェシー・ウィルコックス・スミスもこの幸福な瞬間を一枚の絵に切り取り、永遠のものに変えています。
可愛らしくも美しい本です。
当店在庫はこちらです。
「A CHILD'S GARDEN OF VERSES」Robert Luis Stevenson Jessie Willcox Smith