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1-7-2棚卸方法。 その2

2022.04.06 23:59

1-7-2棚卸方法。 その2

通常、仕入帳・商品有高帳などで、帳簿上在庫を管理しています。

実地棚卸は、毎月、四半期・半期・期末に、行っています。

実地棚卸のポイント

(1)実地棚卸の責任者を決めます。

実地棚卸日の決定。

棚卸しの対象範囲決定。

「実地棚卸計画書」および「実地棚卸マニュアル」を作成します。

(2)実地棚卸の事前説明会。

実地棚卸は通常2人1組で行います。

(3)事前に、商品・製品の整理整頓。

(4)重量換算法の採用。

重量換算法 

(総重量÷1個の重量=数量)

(5)棚卸原票(実地棚卸を行うための記入用紙)

ひとりが在庫のカウント、もうひとりが棚卸原票へ記入。


参考に、してみて下さい。



…割愛…

1-7-3

単価の算定方法は、税法上「原価法」と「低価法」に大別され、

さらに「原価法」は、

①個別法

②先入先出法

③総平均法

④移動平均法

⑤最終仕入原価法

⑥売価還元法

の6つに区分されています。


原価法

原価法とは、購入代価または製造原価に引取費用などの付随費用を加算した金額(取得価額)をもとにして棚卸資産を評価する方法をいいます。

原価法については、以下の6種類の評価方法に区分されています。

(1)個別法

個別法とは、取得原価の異なる棚卸試案を区別して計算し、その個々の実際原価によって期末棚卸資産の価額を算定する方法です。

棚卸資産を、個々の実際の取得価額をもって評価する方法です。

商品個々の実際の仕入や払出金額をそのまま計算する方法であるため、ものの流れと帳簿計算が完全に一致しますが、実務的に大変手間がかかります。個別に在庫管理することが適している宝石業・貴金属業や不動産販売業などにおいて用いられることが多い評価方法です。

(2)先入先出法

先入先出法とは、「先に仕入れた商品から先に販売される」と仮定し、期末に最も近い時期に取得したものから順次期末の棚卸資産になるとみなして、その取得価額を評価額とする方法です。

実際の物の流れに一致しやすいため、評価しやすいというメリットがありますが、物価の変動があった場合には、インフレ時には在庫単価が高くなることから原価計上が少なくなり結果として利益が多く計上されてしまいます。また逆にデフレ時には利益が少なく計上されることになります。

(3)総平均法

総平均法とは、期首棚卸資産の取得価額の総額と期中に取得した棚卸資産の取得価額の総額との合計額を総数量で割った単価によって評価する方法です。

計算方法は簡単ですし先入先出法のように物価変動に左右されにくいというメリットがありますが、一定期間経過後まで単価が確定しないというデメリットがあります。

(4)移動平均法

移動平均法とは、棚卸資産を仕入れるごとに、それまでの平均価額と合わせて計算しなおし、取得価額とその時にある棚卸資産の取得価額とを総平均して価額を求める評価方法です。。仕入れるごとにタイムリーに平均価額を把握できる反面、計算に手間がかかります。

この方法を採用するためには、対応出来るシステム・体制を整備する必要があります。

(5)売価還元法

売価還元法とは、期末棚卸資産の販売価額の総額に、原価率を掛けて評価する方法です。

棚卸資産をグループに分けて、そのグループごとにその取得原価を売価で割ることで原価率を算定し、期末実地棚卸高の売価に原価率を掛けて期末棚卸資産の価額を算定します。

この方法は、一定時点で保有する棚卸の価額を算定することはできますが、適時に払出原価を算定することはできません。

したがって、取扱商品の多い百貨店・小売店などで用いられる方法です。

(6)最終仕入原価法

その事業年度の最後に取得したもの(期末に最も近い仕入時の金額)の単価で評価する方法です。

総平均法と同じく、期末まで計算できませんが、簡単に計算できる方法であり、税法上も集計上も、中小指針および中小要領で認められている評価方法なので、中小企業ではよく採用されている評価方法です。

しかし、期末棚卸資産が、最終仕入送料を上回る場合には、期末棚卸試案の一部が実際に原価ではない金額で構成されてしまうというデメリットがあります。

したがって、上場企業では棚卸資産の大部分が最終の仕入単価で取得されている場合や、期末棚卸資産に重要性が乏しい場合だけ認められます。

低価法

低価法とは、棚卸資産の評価を「原価法のうちいずれか1つの方法により評価した価額」と、期末における「時価」のうち、いずれか低い方の価額をもって評価する方法です。

低価法は、上場企業においては強制適用となっています。なお、低価法を適用した場合は、翌期首に振り戻しの処理(評価損を計上した期末仕訳の逆仕訳)が必要です。つまり、低価法を適用した場合であっても、翌期には再度取得価額に戻して評価し直すことになります。

まとめ

以上、棚卸の作業手順、評価方法についてご紹介してきました。

これまで述べてきたように、棚卸資産の取り扱いは単純なものではなく、帳簿上の処理から実地棚卸、評価方法など、自社に適した評価基準や評価方法については、様々な視点から考える必要があります。

したがって、棚卸しの考え方や業務手順、仕訳処理方法と期末評価方法などについては、税理士に相談して各論点を整理し、把握するようにして下さい。

また、会社が経営を行ううえでは、一般的には、手元にある商品や製品を販売することになりますが、品切れを防ぐためには、ある一定量の商品を手元に置いておく必要があります。

しかし、だからといって、必要以上の商品を手元に置いておくと売れ残りが発生してしまい、経営上好ましくありませんので、会社にとって商品の適正量を考える必要がありますが、この点についても、税理士の意見を取り入れながら検討するのがおすすめです。