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My wish is...   第十三話

2018.01.08 05:14



二人が見つめあったのはどれくらいの時間だったのだろう。



一瞬だったかもしれないし、はたまた5分くらいだったのかもしれない。

でもどちらかが言葉を発するまで目が逸らせなかった。




「…宇野ちゃ」


「千晃、妊娠おめでとう。

まだちゃんと言えてなかった」




その場からお互い動けないまま、

ただ言葉だけが出てきた。



「っごめん、


ごめんなさいっ!!!」





千晃が蹲るように床にしゃがみこんだ。






「千晃!


赤ちゃんがびっくりするよ!

ほら、座って!」




駆け寄って、誰もいなくなったミーティングルームの椅子に千晃を座らせ、

私は膝をついて下から千晃を見上げた。




千晃は、一人でどれくらい悩んだのだろう。




その顔は化粧では隠し切れないほど疲れ切っていた。







「宇野ちゃん、ごめんね、ごめんね」





千晃の目から涙がぽたぽたこぼれ落ちる。






「千晃、もう謝らないで。


おめでたいことなんだよ、おめでとうって言いたいんだよ」





私の目からも後からあとから涙が溢れてきて、


千晃の手を握りしめながら、体が震えていた。





「千晃がお母さんになるって、すごいことなんだよ」




「でもっこんな、こんなタイミングでっ」




「しょうがないよ。それはしょうがない。


だって、もう決めたんでしょ?


千晃はお母さんになるって決めたんでしょ?」




「うん、うん、


私は決めたのっ」




「うん、なら謝らないでよ」



「…ぅう、許して、宇野ちゃん」




「許すとか許さないとかじゃないよっ、



千晃はお母さんになるんだよ。



千晃しかその子のお母さんになれないんだよっ。




だから、



だから、っ




さみしいけど、


悲しいけど、




千晃が決めたことを私は応援するよ。




千晃が悩んで決めたこと、ちゃんとわかってるよ。




っ私たち、ずっと女子二人で頑張ってきたよね。




喧嘩もしたし、うまくかない時もあったけどっ




私、千晃がいてくれて本当に良かったって思ってる。





短い間だったけど、二人でMISACHIAもできてっ幸せだったよ。





この先も一緒にやっていきたいけど、千晃が選んだ道を応援したい。




千晃がいなくなったら、さみしいけど、




でも、



私、頑張るから、千晃も頑張って




ごめんじゃなくて、ありがとうってそう言って」







私たちはしばらくの間、ただお互いを抱きしめて泣き続けた。





これからは別の道を歩むことになる。


きっと千晃も、私も、


簡単な道じゃない。




でも、決めたの。




もう千晃を責めない。



もう引き留めない。




私は千晃の背中を押したい。




千晃が決めた道を歩いていけるように。





そして、私も、



私の道を歩いて行かなくちゃいけない。