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春愁のころ。

2022.04.08 00:40


桜の花もそろそろ終わり。


はらはらと散る花びらは、時を止めたいほどに美しく、ふとわけもなく物悲しい気持ちになったりします。


ああ、今年も桜が見られた。


という安堵にも似た気持ち。


そして、ありがたさに手を合わせたくなる。


若いときにはこれっぽっちも感じなかった感情です😅


まだまだ高齢者の入り口でこれですから、この先80ぐらいになったらどうなっちゃうんでしょう。号泣してしまいそう😂



春の日にふと感じる、もの寂しい気持ち。

なんとなく気がふさいで、ものうくなること。


こういった感情をあらわす言葉に「春愁(しゅんしゅう、はるうれい)」があります。


季語として俳句でもよく詠まれていて、なんとも情緒のある美しい言葉ですよね。


でもその意味に

「ただ愁うのでなく、感謝の想いと幸福の感情が湧き上がること。」


というのも加えてもらえると、今の気持ちにもっとぴったりくるのになあと思うのです。


桜に限らず、自然の景色、絵画、写真、書、音楽、舞台・・・


心動かされる美しいものと対峙すると、わけもなく泣けてくる。。


時間、場所、そのときの自分の年齢、立場、心持ち、いっしょにいる人・・・すべてはいろんな偶然が合わさって唯一無二の美しさに立ち会えている奇跡というか。


今一瞬の寂しさと、だからこその愛おしさと。


「春愁」に似た想いは、人生を重ねるにつれて、さまざまな場面で深くなっていく気がしています。



世界に目を向けると、ものものしい空気が流れている昨今ですが、

テレビに映し出されるその光景は、美しさとはほど遠く殺伐としていて、ただ悲しみの愁と憤りを覚えます。


かの地にも、どうか一日も早くおだやかな日々が訪れますように。

そう願わずにはおれません。