美しいお菓子の木型 ―手のひらの宇宙 /2022年4月更新
会期中に
京都 ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUMで開催している
「美しいお菓子の木型―手のひらの宇宙」展にお伺いしました。
昔から木型が好きで
その美しい紋様や技術は
眺めているだけでも
うっとりしてしまいます。
そんな木型にスポットをあてた
展覧会にウキウキとお伺いしました。
※許可をいただいて写真を撮らせていただきました。
はいるとまず沢山の木型たち。
大きさも圧巻です。
ケースの中の木型は
なんと江戸末期〜明治の木型。
仙人が住み、仙薬があるとされる蓬莱山。
松竹梅、鶴亀など吉祥文様がこれでもかと
掘られている。
見るだけでも長寿にあやかれそう。
鍵善の中でも特大サイズだそうで
おめでたい席を装飾する落雁につかわれていたそうです。
実際に今回の展示に合わせ
職人さんが作ったこの蓬莱山が
美しいこと。
木型には掘り込まれた陰影の美しさがあるけど
落雁はまた別の美しさがあります。
色彩によりより文様が際立ち
絵画的な魅力が生まれてきます。
他にも実際に木型と落雁を並べたものも。
こちらは鶴亀の吉祥紋様。
木型の面白さは
その紋様にもあるでしょう。
お祝い事、法事などそれぞれに合わせた
意味ある紋様はもちろん、
時代時代の紋様もあります。
とくに街のお菓子屋さんのものや
ラムネ、金華糖などは兵隊さんやクルマなど
その時代をうつしたものも多く見受けられます。
どういうシーンでつかわれたのだろうと
思いを馳せるのも楽しいです。
趣味で集めたひとつ、
我が家のたこちゃん。
しかも眉がある。
タコは多幸とも通じたりと
縁起物でもあります。
さて、展示では
小型の木型も並ぶ中
木型から型取りする技法の和紙の作品や
お店と関係が深かった
黒田辰明氏の作品も拝見できました。
また製造についても展示されており
先代の京屋さんが木型をほる映像も
流されていました。
木の目の向きなどを考慮しながら
掘る様子はとても技術を要するものでした。
以前に仕上げていただいた型は
とても美しかったことはもちろん、
素晴らしく使いやすかったこと、
このような確かな技術に裏付けされたものだと実感することができました。
我が家には趣味で集めた木型や
引退した職人さんよりお譲りいただいた
木型などがありますが
今回の展示を通じて
改めて大切に使っていきたいと思いました。
お気に入りが飾られた我が家の玄関。