Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

マヤ

『W旦那+(プラス)』第62~63話 (ホテル①)三代目妄想劇場

2017.11.15 06:00

剛典「今夜はホテルで飲み会するから一緒においでって」



理愛「お二人から連絡があったんですか?」



剛典「うん、LINEがきてた」



映画を見終わったあと、剛典と理愛は手を繋いで公園を歩いている。



理愛「お二人、お仕事だったんじゃ…」



剛典「なんかね、隆二さんが前に応募してたホテルの宿泊券が当たって、夕方に仕事はけてから二人で来るって」



理愛「オーナーが応募…」



不思議そうな顔をする理愛。



剛典「社長にも連絡してあるから、今夜は理愛ちゃんも外泊していいそうだよ」



理愛「そうですか」



剛典(4人一緒ってことは、ホテルに着いてからじゃキスもできないな…)



剛典「ちょっと座ろっか」



理愛「はい」



遊歩道から、少し奥まった所にあるベンチに座る二人。



(ここなら大丈夫かな?)



剛典はマスクを外し、隣に優雅に腰掛ける理愛を見た。



ハッとして、剛典が聞く。



「理愛ちゃん、ベンチ冷たくない?」



「冷たいです」



「膝の上に来る?」



「はい」



剛典の膝の上に、横向けに座る理愛。



「理愛ちゃん、いつも薄着だから寒そう…」



「こうしてたら平気です」



理愛は剛典の胸にもたれてくる。



まるで高級な羽毛布団を膝の上に乗せてるようで、まったく重さを感じない。



「こんな明るい時間にキスしたらまずいかな?」



「平気です」



理愛から積極的に唇を重ねてくる。



剛典(柔らかくて、甘くて…心まで溶ろけそう…)



剛典(あの二人も当然、理愛ちゃんとキス位は、日常的にしてるんだろな)



剛典が今まで味わった事のない感情が湧いてくる。



(うわっ…俺、嫉妬してる)



しばらく濃厚なキスをして、ゆっくりと離れる。



すぐ目の前に、理愛の青く深い瞳が輝いている。



「理愛ちゃん…好きだよ」



「私も…好きです」



「ありがと」



理愛を抱きしめる剛典。



「早く一つになりたいな」



「はい…」



「あっ!でも心配しないでね。理愛ちゃんが大丈夫な日で全然構わないから」



「……」



「いい機会だからさ。今夜二人に正式に理愛ちゃんとの交際を認めてもらおうと思うんだ」



「えっ?」



「ダメ?」



「……」



「選べない?」



じっと剛典の目を見る理愛。



「選んでくれなきゃ、一つにはなれないよ…」





 理愛「私が…」



剛典「ん?」



理愛「私が剛典さんを選んだら…二人のオーナーとの生活はどうなりますか?」



剛典「え?俺の所に来ることになるから、二人とはもう…」



理愛「お店は?」



剛典「理愛ちゃんとは結婚を前提に付き合っていくつもりだから、別に働かなくてもいいよ」



理愛「オーナー達との生活も、仕事も一度に失うんですね?」



剛典「理愛ちゃん…俺だけじゃダメ?」



理愛「……」



剛典「やっぱり君には選べないか…」



理愛「すみません…私どうしたらいいか…」



剛典は「混乱させてごめんね…」と理愛を抱き寄せる。



(元々一人の男性を愛するという概念がないんだ。)



(責める事なんて出来ない…)



(ずっとこのまま…二人の保護者+(プラス)1で、この関係を続けていかなきゃいけないのか)



剛典「どうすれば、みんなHAPPYになれるんだろね」



理愛「ごめんなさい…私…」



剛典「理愛ちゃんは何も悪くないよ」



剛典「そろそろ行かなきゃね」



理愛「剛典さん」



剛典「なに?」



理愛「ネックレス外してもらえますか?」



剛典「あ…うん、いいよ」



(やっぱ二人に見られちゃマズイか…)



理愛は長い髪を片手で上に持ち上げている。



剛典はネックレスを外しながら、理愛のうなじを間近で見る。



白く輝く肌を見ていると、欲望が抑えきれなくなる。



同時に理愛を独占できないことが酷く悲しく思えてきて、衝動的に理愛のうなじに唇を押しつけた。



剛典(こんなに好きなのに…)



理愛「剛典さん…」



剛典「何もかも捨てて遠くにさらって行きたいよ…」



剛典から理愛にキスをする。



理愛は両手を剛典の頬に当て、



「ダメですよ…大勢のファンが悲しむようなことしちゃ…」



剛典「理愛ちゃん…」



剛典は腕時計を見て「行かなきゃ…」



手にしたネックレスを理愛に渡す。



理愛「私はいつでもOKですよ」



しばらく黙って青い瞳を見つめる剛典。



「理愛ちゃん…俺は+(プラス)1じゃ嫌なんだ。」



「only oneでなきゃ一つにはなれないよ」



理愛はわずかに唇を歪めた。





End