『W旦那+(プラス)』第64話 (ホテル②)三代目妄想劇場
隆二の計画はこうだ。
ホテルの宿泊券が当たったので、4人で飲み会をしようと剛典と理愛を誘う。
ホテル側にはサプライズパーティーをするので、クローゼットの鍵が壊れていることにしてもらい、使用禁止の札を下げてもらう。
そこに臣と隆二が潜み、後から来る友人を驚かせるという設定だ。
部屋の中には隆二の提案で、検証をするための細工がしてある。
剛典と理愛がチェックイン後に、急な取材が入ったので、二人共参加できなくなったとメールを送る。
ウォークインクローゼットの扉にある鍵穴から、室内の様子を観察し、検証をするという計画だ。
約束の時間より、一時間ほど早くチェックインした臣と隆二は、部屋に細工をしてからスタッフを呼び、クローゼットの中に入り、
外から使用禁止の札をかけてもらった。
万が一剛典と理愛に見つかったとしても、サプライズで驚かそうとしていたと説明すればいい。
ワインやシャンパン、オードブルはセッティングしてあり、後は二人が来るのを待つだけになった。
クローゼットの中はエアコンが効かず、室温も低い。
ホテルに用意してもらった大きめの毛布に二人でくるまる。
隆二「何で二枚ないの?」
臣「俺が一枚で十分だって言ったからだろ。その方があったかいし」
隆二「あ…そう」
臣「隆二」
隆二「なに?」
臣「オバケが来たら俺が守ってやっからな」
隆二はきょとんとして、
「こっち向かってきたらどーする?」
「俺が盾になる」
「マジで?おれ、もし臣が気絶したら、速攻逃げる思う」
「俺を見捨てて?」
「うん」
「冷てぇな…」
「だってオバケ怖いもん」
臣はなんともいえない表情を浮かべ、隆二の肩を引き寄せる。
隆二「変な気起こすなよ」
臣「…お前そればっか…」
隆二「臣、野獣だから…」
臣「人聞きの悪い…」
隆二「不意打ちさせたら、アトラクションのオバケより立ち悪い」
臣「んなこと言うけど、あの時…」
隆二が気配を感じて、臣の口を塞ぐ。
ガチャっと音がして、剛典と理愛が部屋に入ってきた。
End