試験の傾向と対策の方針。
「記述の問題が解けなくて・・・」
という相談を受けました。
この子は問題集を真面目に取り組み、
具に自分の理解の不足を分析する足を持ち、
理解して行く頭も持っていますが、
今回の理科も説明問題が全然取れなくて、という
ことを聞きました。
ー「それさ、試験範囲なんだよね?
先生は、用意された教科書と問題集からしか
基本的に問題は作らないはずだから、
記述が出来ないといっても、対策の仕方は
あるんじゃないの?ちょっと教科書持ってくるから
自分にどんな学習が足りないか、それを
見てかんがえてみたら良いよ。
何かしらヒントはあるんじゃないかな?」
そうして、教科書を隅々まで見渡してみると、
今回の記述問題は教科書の注意事項からほぼ
出題されており、試験対策を問題集ばかり見て
教科書を見なかったことが敗着であったと
生徒さん自身が気づく機会を得ました。
ー「次は対策の仕方を変えてみたら良いよ。
社会なんかも、問題集を完璧にしておくのは当然として、
ノートと教科書をもっとちゃんと読んで理解すること、
そういう学習に切り替えてみたらどうかな?
そもそも問題集って、膨大な情報を切り取って問題に
しているだけで、問題集で足りるような学習なんて
存在しないんだから。」
私も、小学生の総合試験の問題作成をすることがあり、
私なりに試験の傾向とかを揃えているつもりですし、
授業中にメッセージもたくさん発していますから、
そういうことに気付けて、対策をそれに合わせて
出来る子が上位を常にキープしています。
問題を解くだけの子はいつも8割程度の”合格点”で
止まってしまうことが多いのです。
試験対策は、作成者の正確や癖を読むことも
大切なことになってきます。
小学生にも常にいうのは、
「中学に上がって定期テスト対策があるけれど、
それは俺が作る試験じゃないし、問題集だけを
解いていれば満点になるように作られてはいない。
”授業を”理解しているのかを問うし、”教科書を”
理解しているのかを問うのが試験だ。
だから、人の話も聞かずに問題ばっかり解いていると
定期テストでは点数が取れないんだよ。」
歴代定期テスト対策が下手な子が多かったのは、
多分問題集を解くことに執着する子が多かったからだろうと
そんな風に思っています。
本来大切なのは聞くこと、読むこと、理解すること、それが
体に染み付くほど内面化されていること、であり、
解くことは、一定のパフォーマンスチェックの機能や
基本事項を間違いなく出力できるチェックをする機能しか
持たないということです。日常学習においては、ですが。
問題集の問題に対して間違いなく一定の解答を出力できる、
というのは、学習の始まり、本来学ぶべき3割とか4割にしか過ぎず、
本当に大切なことを見失わないようにしてもらいたいです。