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NO.609「米寿と卆寿」「新たな風の中で」「ジャパニーズ・サイズ」

2021.04.03 06:15

2021.04.03.NO.601

「米寿と卆寿」

なな.

 数年前から、再来年は。来年は。と心の準備をしてきた。両親揃っての長寿のお祝い。

 しかし、本当にできるのかはその日まで判らないのがお年寄りというもの。 

 実際3月7日に母の弟(85歳)が訪ねてくれての会食後には、疲れが出て1週間体調を崩してしまった。わずか3時間くらいの楽しい会食だったのだが、良いところを見せようと緊張したのだろう。医者へ受診するのに車椅子を借りる程のヘタレ具合に、こちらが慌ててしまった。幸い10日ほどで元に戻ったが、油断できない。 

 お祝いの会は3月28日の予定だ。そこへ弟が2年ぶりに帰省。ネパール在住の弟が帰国のタイミングに合わせてのお祝いなのだが、気を付けないとまた疲れが出てしまう。弟を実家へ泊らせないようにして28日を迎える。よかった!2人とも元気だ。

 両親と私達3兄弟、そして孫9人(1人欠席)、高志に高志のお母さん、孫たちの中で一番年上の甥が先日結婚。初めてお嫁さんを連れてきて総勢16人のお祝いの会になった。和食屋さんの広い部屋を借り、集合写真を撮り、花束や色紙を渡し、食事をしながら全員が代わる代わる両親にお祝いを言いに行き、最後に2人が挨拶をして、穏やかで温かい良い会になった。

 2人も嬉しそうにしてくれていた。 2人が出会って、私達が生まれ、、、家族が欠けることなく皆元気で集えた幸せを。今こうして家族に囲まれ、たくさんの人達に支えられながら、好きな仕事をして生きていられる幸せを。かみしめた1日となった。 


「 新たな風の中で 」    

高志

 日本列島が南北に細長いことは周知の事実であり、そのおかげで季節の移ろいを、順を追って感じることができる。桜の開花もそのひとつで、定期的に水の里へ通う身としては、定点観測をしている方々よりも長く楽しめる恩恵を受けていた。 

 それが環境変化の影響なのか、時として広い範囲で一気にその旬を迎えることがある。今年はまさにそんな年だ。 

 お水採りに向かうため、自宅を出発する際に目に飛び込んできた満開の桜は、車をいくら走らせても変わらないままで、それは東北の玄関口である白河に入っても同じことだった。 

 さすがに水の里までは、まだ桜前線は届いていなかったが、神奈川から福島までどこも桜が満開であったのは不思議な光景であった。 


 昨年からお水採りの際にラジオをかけながら作業をするようになったのだが、四方を山で囲まれている水の里では、残念ながら日中はラジオ福島しかキレイに受信できない。朝晩は、関東エリアで普段聞いている放送局も受信できるし、何故だか関東エリアの放送局は聞けなくても、大阪のラジオ局や北海道のラジオ局が鮮明に受信でき、それぞれの地域の交通情報なんか聞いていると何とも不思議な気持ちになったりもするのだが、日中だけはラジオ福島だけとなる。以前はNHK福島局が受信出来ていたのだが、最近は全く受信できなくなってしまった。 

 そんなラジオ福島から、福島市内の桜の開花情報が聞こえてきたのだが、白河のそれと同じように福島県内の他の地域でも満開であったり、もうすぐ満開になりそうだという情報が寄せられていた。郡山市内に居を構える東北釣堀苑の若旦那・とも君によると、自宅の近辺はまだ満開になっていないということだったので、場所によって差異はあるようだが、帰宅して見たニュースでは仙台で満開になっていたので、桜前線はかなり北上しているようだ。 

 そんな桜を眺めながら、走る車の中ではいつものようにラジオが流れている。でも、そのラジオから流れる番組が、この年度替わりに大幅に変更された。少なくとも、僕が好んで聞いていた番組の多くが、変更されてしまったのだ。 

 今までも、番組の改変期に好きだった番組が一新されることがあって、その度に寂しい思いをしてきたものだが、今回のそれはかなり多くの番組が改変されてしまい、寂しいというよりも戸惑いの方が大きい。 

 昨年来のコロナ禍で、新しい日常なる言葉が盛んに使われるようになったが、ラジオヘビーリスナーである僕にとっては、この年度替わりはまさに新しい日常になってしまった。まだ改変されて間もないので、しばらくは慣れるまでに戸惑いは続くのだろう。 

 そして、それは僕だけではなく、子供たちも同じだろう。社会人として新たな1歩を踏み出す者、新たな学校へ入学する者は期待よりも不安の方が大きいだろうが、ただ目の前のことを一心不乱に頑張ってもらいたい。 

 昨年はことごとく止まってしまったプロスポーツ界も、この春は特別なレギュレーションで動き出している。スポーツオタクの僕としては、それが行われるだけで嬉しい限りだ。

  桜の花と陽気に誘われて人々の動きも活発になってきた。それとともに、当然のように新型コロナ感染者数も再び増加傾向にある。様々な見解がはびこっているが、ひとつ確実に言えることは、まだしばらくの間は新型コロナとともに生活しなければならないということだ。 

 それは何も生活が抑制されるだけではないはずだ。病は気からと言われるが、こんな時だからこそ、家にこもるだけではなく外に出て春の息吹を感じよう。自然に触れ、自然を感じられれば人は癒されるものだから。あくまでも、密をさけながら・・・。                 


「 ジャパニーズ・サイズ 」

上田 隆

 長い友人のFさんが 

 「閉じ込め生活なんで、マスク縫ったのよ。もらってくれる」

 「うれしい!」 

 「だいぶ大きいのよ」 

 「アベノチビマスクより効果あるやんか」 

 「アハハハ 役に立たないアベノマスク、誰も使わない。国民の税金をドブに捨てたわね。損害賠償請求ものよね」  

 彼女は十三(じゅうそう と読む)の生まれ育ち。散髪屋の娘。今はご両親とも他界されたが、私は埼玉の彼女の住まいで何度もお会いした。ざっくばらん、あけっぴろげのお二人、いや三人とも。十三は淀川を挟んで大阪キタの中心地・梅田(大阪駅界隈)の対岸に位置、大阪駅から二駅の近さ。 大阪の下町歓楽街と紹介される。商店、飲み屋、キャバレー、アルサロ、ピンサロが乱立する。性風俗店は多数、ストリップ小屋まである。奈良住まいのアメリカ友人が遊びに行く。〇〇サロ、ストリップの割引会員証をもらっている彼が歩くと 

 「クラークソン様、こっちこっち」 

 と声がかかる。そんな街なのでファッションも独特だ。大阪人ファッションは派手好きだが、ここも御多分にもれない。ヒョウ柄、黒、赤、金、銀など独特の派手さ。Fさんは関東に40年以上住んでいるが、やはり大阪ファッションで帰阪する。 

 マスクが届いた。ワクワクして開封。第一印象は”おやっ?”だった。一枚は桂馬、うちわ、大當、志ろ酒などが描かれている。浮世絵にありそう、布は浅草あたりで手に入れたのかな。もう一枚は大小の花が一面に散らばっている。この柄の名前は知らない。二枚ともどことなくにぎやかに感じる。シックとは言い難い。シンプルな薄いクリーム色のマスクも入っていた。これは既製品の冷感マスクだと言う。たくさん買ったので同封したと言う。 

 このこってりしたやさしさは、やはり下町のサービス精神からのよう。ありがたく使わせてもらうよ。 


  あっ、忘れてはならないこと。

  Fさんの配偶者は八尾の生まれ育ち。今のNHK朝ドラ”おちょやん”の主人公・千代が子供時代、奉公に出されるまで育ったところ。 

 「われ!」「おんどれ!」どちらも河内弁で「お前」。「何ぬかしとんねん! (何、言ってるんや)」 が飛び交う。 

 二人が結婚すると聞いたとき  

 「八尾と十三の組み合わせやて」

  われわれ友人たちは声をひそめてささやいた。いまだに畏敬の念を抱いて語られる。

 

 ところでタイトルに書いた ”ジャパニーズ・サイズ” 

酒が入っている時に、この書き出しを打ち込んだ。メモのつもりで書いたのに…まったく思い出せない。どんなつもりでこれを書いたのか、どうつなげようとしたのか。

 困ったもんやな。まっ、笑い飛ばそう。