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服薬指導.com

デュロキセチン錠(サインバルタ)

2022.04.11 09:05

成分名:デュロキセチン

先発品:サインバルタカプセル

後発品:デュロキセチン錠・カプセル


<作用機序分類>

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤


<予想される疾患>

〇うつ病・うつ状態

〇下記疾患に伴う疼痛

糖尿病性神経障害

線維筋痛症

慢性腰痛症

変形性関節症

(添付文書外:肩腱板断裂)


<服薬指導> 

 用法・用量

〈うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛〉

通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。

なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。


〈線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛〉

通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして60mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。


[効能説明]

・うつ病・うつ状態の場合

「脳内の神経伝達をスムーズにし、憂うつな気分を和らげ、やる気がなくなる、不安などの症状を改善します。受診のたびに効果を確認し、お薬の量を少しずつ増やしていくと思いますので、決められた量をきちんと飲んでください。飲み始めに眠気や吐き気、口の渇きを感じることがあります。こうした症状が出ても、その後、自然に治まることが多いのですが、もしも改善しなかったり、我慢できない場合は、医師または薬剤師にご相談ください。」


・疼痛コントロールの場合

「この薬はロキソニンなどの痛み止めと異なり、徐々に効果が表れます。受診のたびに効果を確認し、お薬の量を少しずつ増やしていくと思いますので、決められた量をきちんと飲んでください。飲み始めに眠気や吐き気、口の渇きを感じることがあります。こうした症状が出ても、その後、自然に治まることが多いのですが、もしも改善しなかったり、我慢できない場合は、医師または薬剤師にご相談ください。」

{もっと詳しく}

「このお薬は神経に働きかけ、痛みを抑える作用を持つセロトニンとノルアドレナリンの量の調節に関わることにより、痛みを和らげると考えられています。このお薬は痛みがあるときだけ服用するお薬ではありません。継続して服用することにより,痛みを和らげる効果があらわれます。効果があらわれるまでの期間には個人差があるので,主治医の指示に従い,きちんと服用しましょう。」


[服用中のフォロー]

副作用:眠気(24.3%)、悪心(22.4%)、口渇(12.8%)、便秘(12.4%)

覚醒による入眠困難の有無


<薬剤師からの質問>

Q. サインバルタ(デュロキセチン)を朝食後に投与する理由は?

A. 国内のうつ病・うつ状態承認時臨床試験、及び糖尿病性神経障害に伴う疼痛承認時臨床試験では、朝食後と規定しており、その他の用法における有効性及び安全性を検討していないことから「朝食後」と規定しました。

参考:サインバルタ(デュロキセチン)を朝食後に投与する理由は? Eli Lilly Japan


「基本的には朝食後とすることが多いです。これはサインバルタが意欲や気力を高めると同時に、睡眠を浅くする副作用があるためですが、反対に眠気が副作用として認められる方もいらっしゃいます。その場合は、サインバルタは食事の影響は少ないお薬ですので、夕食後や寝る前に服用を変更することもあります。」

参考:元住吉こころみクリニック


海外臨床試験において、夜就寝前投与で主要吸収部位である小腸への到達が遅くなり、Tmax遅延、Cmax低下が認められたため、国内臨床試験は全て朝投与で行われている(審査報告書2010年1月20日)。

日本人成人男性を対象とした朝空腹時と朝食後のクロスオーバー法での単回投与試験では、食後投与のCmaxは空腹時に比べ有意に高い値を示し、AUC0-48hは高値、TmaxおよびT1/2(β)は延長を認めたが、有意差はなかった(インタビューフォーム2020年2月改訂(改訂第14版))。これらの結果から、朝食後投与に設定されている。


<食事の影響については添付文書参照(サインバルタカプセル20mg.30mg添付文書)>

・健康成人男性(7例)にデュロキセチン20mgを空腹時あるいは食後に単回経口投与

Cmax:食後投与>空腹時

Tmax、AUC、T1/2(β)、Ae(尿中排泄量):有意な変化を示さなかった。

・健康成人女性(12例)を対象に、デュロキセチン40mgを朝空腹時、朝食後、あるいは夜就寝時(空腹)にそれぞれ単回経口投与

Cmax、AUC:朝食後投与と朝空腹時投与との間で有意差は認められなかった。

Tmax:朝食後投与>空腹時

消失速度定数(λz):朝食後>空腹時

Cmax、AUC:夜就寝時(空腹)<朝空腹時

Tmax:夜就寝時(空腹)>朝空腹時



<指導箋>

〇下記疾患に伴う疼痛

「慢性腰痛症に伴う疼痛」及び「変形性関節症に伴う疼痛」でサインバルタ®を服用される患者さんとご家族の方へ 服薬指導箋(シオノギ製薬 日本イーライリリー)


〇うつ病・うつ状態

サインバルタ®を服用される患者さんへ: 東京女子医科大学医学部 精神医学教室 主任教授 石郷岡 純 先生