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マヤ

『羨望⑥』(続•臣隆妄想劇場81)ショートバージョン

2017.11.14 18:50

健二郎(臣ちゃんも随分優しい表情をするようになった)




(元々メンバーだけでいる時は、穏やかでよく笑う奴やったけど、熱愛報道とかゴシップ書かれて、インスタ荒れした時なんか、きつい表情してた時もあったな…)




(昔よりも柔らかなったよな、臣ちゃん…)




隆二「臣、ネギついてるよ」




そう言って隆二はおしぼりで臣の口を拭いている。




健二郎(隆二とは…二人がこうなる前は、

しょっちゅう俺とつるんでて、飲みに行ったり、買い物行ったり…)




(移動中も隣に座ってて、いっつも一緒やったな)




(おれ…ひょっとして寂しいんかな?)




健二郎はグイッとビールを飲み干して、

プハーッと天を仰いだ。




その様子を横でじっと見ていた隆二が、




「健ちゃん、恋煩いじゃないんだったら、

クリスマス暇でしょ?」




健二郎「そや、悪いか?なんも予定ないで」




そう言って横を見ると、臣と隆二が

ニヤニヤ笑っている。




すると隆二が新しいおしぼりを持って健二郎の口元を拭き「へへへ」と笑った。




隆二「健ちゃん、ラーメンの汁ついとるがな」




健二郎はすぐに『相手間違えとんのとちゃうか?』と隆二にツッコミを入れたかったが、なんだかほわんとした物に心が包まれて、

なにも言えなくなった。




隆二「健ちゃんにはいつもお世話になってるからね。クリスマスはうちにおいでよ」




健二郎「え⁉︎ええんか?」




臣「朝まで飲み明かそーぜ」




健二郎「……」




健二郎「…ほな、久しぶりに盛り上がろうか?」




臣「おっ!やっぱそうこなくっちゃ‼︎」




二人の笑顔がやけに嬉しかった。




店を出る時、臣は財布を出そうとしたが、

健二郎はこれくらい奢ったる…

と言って勘定を済ませた。




最近、近いようで遠くに感じていたツインボーカル。




(なんやかんや言うて、クリスマスも

二人のイチャイチャ見せつけられそうやな)




それでも健二郎は心底嬉しかった。








翌日ライブ会場でスポットライトを浴びて

バラードを熱唱する二人の姿を、舞台の袖で健二郎が見つめている。




会場内に艶のあるハーモニーが響き渡っている。




ドームを埋め尽くしたファンの羨望の眼差しを一身に受けて、ツインボーカルは更に輝きを放っていた。




健二郎は眩しそうに目を細めながら思う。









「俺も負けてられへんな」