【環 境】岩谷産業 世界初 未利用褐炭由来水素の海上輸送・荷役する実証試験を完遂
2022.04.14 00:50
岩谷産業は、川崎重工業、シェルジャパン、電源開発(J パワー)、丸紅、ENEOSと川崎汽船の7社で、CO2フリー水素サプライチェーンの構築および商用化に向けて、褐炭を有効利用した水素製造から、輸送、貯蔵に至るまでの技術確立と実証を主目的としてHySTRAを設立している。2016年から取り組んでいた新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業」において、世界初の褐炭から製造した水素を液化水素運搬船で日豪間を海上輸送・荷役する実証試験を完遂した。
HySTRAは大量の水素を製造・輸送する技術を開発し、サプライチェーン構築時の課題を抽出するために、日豪間で実証試験を行った。世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」は、2021年12月に日本を出港、2022年1月に豪州に到着し、褐炭から製造した水素を積荷し、2022年2月に日本に帰港した。帰港後、液化水素運搬船から陸上の液化水素タンクに荷揚作業を行い、実証試験中の各種運用データを検証した結果、無事に完遂できたことを確認した。
今回の実証試験により、国際的な液化水素サプライチェーン構築が可能なことが立証された。試験を通じて安全に運用できることを実証できた装置や設備は、今後のクリーンエネルギービジネスのゲームチェンジャーとなる技術であり、天然ガスのように水素をエネルギーとして当たり前に使える社会の実現に、さらに一歩前進した。今後、さらなる設備の運用を通じて、将来の商用水素サプライチェーン構築に資するデータや知見を積み重ねていく。
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