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中村鏡とクック25cm望遠鏡

黄道光(1)

2022.04.14 11:59

 古川龍城氏の「黄道光観測法」が「天界」に掲載されたのは1921年(大正10)のことです。古川氏は、すでに1911年(明治44)頃から、黄道光を観測していました。

 黄道光は、天球上で太陽近傍を中心に黄道面(地球軌道面)に沿って観測される淡い光の帯のことです。黄道光は、よく晴れた春の夕方の西空や秋の早朝の東の空で観測しやすい天文現象です。黄道面付近には、彗星からの放出や小惑星同士の衝突で生成されたダストが漂っており、それらが太陽光を散乱させます。なお、太陽と正反対の方向で見られるものは対日照と呼ばれます。

 天文同好会に、黄道光課が新設されたのは1927年(昭和2)、そして1931年(昭和6)から黄道光課長となったのが、荒木健児氏(1902-1980)です。

 下は、1932年(昭和7)に発行された「黄道光課員一覧」です。

 顧問には、野尻抱影氏・三澤勝衛氏・山本一清氏・中村要氏等の名前が見られます。

 荒木氏が1932年9月20に発行した「黄道光課通信」No.15と、9月28日発行のNo.16です。

 中村要氏が逝去したのが9月24日ですから、「黄道光課通信」にそのことが語られています。

(参考文献)

日本アマチュア天文史,日本アマチュア天文史編纂会,恒星社厚生閣,1987

天文学辞典 シリーズ現代の天文学別巻,黒田敏正,日本評論社,2012

黄道光課課員一覧,荒木健児,倉敷天文台,1932年3月14日

黄道光課通信(15),荒木健児,倉敷天文台,1932年9月20日

黄道光課通信(16),荒木健児,倉敷天文台,1932年9月28日

(資料は伊達英太郎氏天文蒐集帖3より)