流行りもの

山内マリコさんと柚木麻子さんの共同声明と水原希子さんのコメントを読む。

思い出すのはつきかなで環ちゃんがみわと付き合っていると言った時「そういうの流行りだもんね」と友人に言われたシーン。先日のジロウさんの質問箱に来ていた「暴力がダメなのでなく“そういう時代だから”暴力はダメだと思っている人」のこと。

弱いものを、時代の流れに乗っているからと商材として捉えた作品は、弱いものを真摯に捉えた作品と紙一重のところにある。物語の受け手としてできることはそれらを見極めることなのだと思う。書き手としては、省みる点がたくさんある。対象に愛と敬意をもって丁寧に作りたい。安易な選択は誰かを傷つける。

この共同声明とコメントを「時代だねえ」と捉えることは、弱いものを流行りものと捉える精神と変わらない。この時代の中にある代わりのきかないたった一つの事実としてこれらを捉えたい。