クレープとグレープ

　このところずっとクレープを食べたいと思い続けていた。朝起きるとそんなクレープ欲がピークに達していたので、今日こそ食べるぞと決めた。でも近場だとどこに売られているのか分からず、かと言ってコンビニに売られているクレープはちょっと自分の中のクレープ枠から外れていたのでどうしようかと考えつつGoogleで検索をかけたところ、移動販売車に辿り着いた。ちょうど今日、近所に来るらしかった。昼休みにさっと行けそうな距離だった。午前中いっぱい考えて、昼休みになった途端、やっぱりやめておこうかなお金の無駄遣いかな身体に良くないしなと思ったけれど、普段は右折するところを左折してしまった。あれよあれよという間に移動販売車が見えてきて、脂質と糖質の摂り過ぎかな……とまだまだ考えながら車を降りた。販売車に掲示されたメニュー写真を見た瞬間、罪悪感が吹き飛んだ。艷やかな苺、もこもこのホイップクリーム、そして何よりあの薄皮。クレープは生地を味わうためのものだと思っている。ケーキでもシュークリームでもホットケーキでもないあの皮。寧ろあれだけでもいい。せめてご飯系のクレープを食べようと思っていたのに結局バナナとホイップクリームのクレープを受け取ってウキウキで車に戻った。家に着いてサラダと炊き込みご飯を早食いしてからクレープの包装紙を剥いだ。やや硬めのクラフト紙みたいな紙でなかなか綺麗に思うように破れなかったが何とか一口分の余裕はできた。やっぱり皮がぷりんとしていて美味しかった。餃子も肉まんもハンバーガーも、皮が好き。

　今日と昨日は何一つ生産できなかったなと自己嫌悪に襲われたが、よくよく考えてみれば入浴中にプロットを二本作ったし、息を吸って吐いて滅茶苦茶ながらご飯を食べて睡眠をとって本を読んでAudibleで朗読を聞いて漫画を読んで、しかも、仕事にも行った。すごい！

　冷えるので湯たんぽを抱いて眠る。今夜のアロマはグレープフルーツ。