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【小説】魔法の小瓶 -5-

2017.12.12 06:58


モロ「えっと、エリカお姉ちゃん、はい、どうぞ!」


大切に大切に持ち帰ったリンゴをエリカに渡すと

エリカも、大切そうにそれを両手で受け取った。


エ「ありがとうございます、モロクさん。フラさん、キッチンお借りしますね」

モロ「?きっちん…?」


その時、どこかで パリン という音が響く。


モ「あ!モロクくん、とれた??」

モロ「うん!えっと、前足の…」

フ「それはね、"手"って言うんだよ」

モロ「あっ、えっと、手のが、とれたよ!」


どうやらそれは、魔法の手かせが外れた音のようだった。


フラの"願い"である "花に水をあげて"では、首輪が。

エリカの"願い"である "リンゴを買ってきて"では、腕輪が

願いをかなえると同時に、弾けて消えた。


残すは、足枷だけだ。


レ「まったく、こんな可愛い子に酷いイタズラするものね」


今度やったら、逮捕してやろうかしら!

そう言って腰に手を当てた青年に、モニカがぴょんぴょんと近づいた。


モ「レイさん、ありがとね!モロクくんすぐに見つかって助かったよ~!」

レ「うふふ、お役に立てて良かったわ~」


まっあなたなら、簡単に見つけたかもしれないどね、と付け足して。


レ「それで?最後のお願いはどうするの~?」

フ「モニカくんの番だね」

モ「んん~~~そうなんだよね~~ どうしよっかなぁ~~~」


モロクが、心配なくできることは 限られている。

となると、願いを決めるにも慎重さが必要なのだ。


モ「素材集めのお手伝いをお願いしたいところだけど、危ないし…」

「魔法を使ったらどうじゃ」

モ「うわぁっ!また出たあっ!」


また出たとは失礼な。と、ほおを膨らませるのは

先程植木から現れ、嵐のように去って行った少女。


フ「やぁ姫、おかえりかい?」

姫「うむ。帰り道で通りかかっての」


少女はそう言って、モロクへと向き直って問いかける。


姫「ほれ、モロクとやら。そなた、この街に来たからには魔法が使えるのであろう?」

モロ「!」


そっか!と、モニカの耳が跳ねた。


モ「モロクくん、何か、魔法でできることってある?」

モロ「う~んと、う~んとね…あッ」


モロクは少し考えてから、ひらめいたように

自分が入っていた陶器の小瓶を両手に包み込んだ。


そして、えいっと言う掛け声と共に手から光を放つと・・・


レ「まぁ~♪綺麗ねぇ♪」


再び開いた両手から現れたのは、光を反射して輝く、ガラスの小瓶だった。


モロ「えっとね、こうやって、砂や土をガラスにしたり、ものを固くしたり、するの。」

姫「ほぉ~、確かに。随分強度の高いガラスよの。」


姫が小瓶をコンコン、とテーブルの角に打ち付け、感心したように息を吐く。


モ「わぁ~!モロクくん、すご~い☆彡」

エ「!」


キッチンからその会話を耳にしていたエリカが、声を上げた。


エ「モニカさん、これは、助かるのでは」

モ「?」

エ「装飾品につかう素材が必要なんですよね?」

モ「ん?…あっ!そっかぁ!そうだったw」


そもそも、この2人がモロクを助けることになったのも

モニカの兄であるアルクに、素材集めを依頼されていたことがキッカケだった。


しかし、めぼしい素材は見つからず

仕方なく帰ろうとした道すがらで あの小瓶を見つけたのである。


モ「モロクくん、親指くらいの大きさの、長方形のガラスが欲しいんだけど…」

モロ「♪できるよー!」


ハイッ!と得意気に両手を上げるモロクに、レイが笑みをこぼす。


レ「可愛いわねぇ~ つい協力したくなっちゃう。」

姫「まったく、この街はお人よしばかりじゃのう。どれ」


わしも、ちと手助けしてやるか、と、姫が姿を消した。


フ「おや…。…砂を取りに行ったかな?」

レ「ふふ、も~最初から協力する気まんまんだったくせに♪」


--- つづく ---