現行給食の喫食率は目標値なし、現在の喫食率維持を目指す――令和4年度第1回市議会一般質問①
令和4年度第1回市議会定例会レポートをお送りしています。一般質問ではお二人の議員さんから、中学校給食に関する質問がありました。まずは、3月25日の諸派矢口まゆ議員の一般質問です。質疑通告書はこちら。
※議会録画から書き起こしたもので、正式な議事録ではありません。
●諸派 矢口まゆ議員
矢口議員:
項目5「現行の中学校給食の喫食率向上のために冬季の温度改善を!」
これまで現行の中学校給食の改善に向け、さまざま取り組みを行ってきた。2018年度〜2021年度では喫食率はどのように変化したか。
学校教育部長:
中学校給食の年度別の平均喫食率は、2018年度が10.4%、2019年度が9.6%、2020年度が10.4%、2021年度については、2月末の時点で10.3%でございました。
矢口議員(再質問):
資料の20枚目(注:リンク先3ページ目)を御覧いただきたいんですけれども。こちらはですね、以前中学校給食無料試食会事業っていうのを実施したときに、そのアンケートの中で「今のこの現行の給食、クラスで何人頼んでると頼みやすいですか」っていうアンケート項目がありました。
これに対して、保護者の方々は「10人~19人」と答えたのが40. 5%。そして生徒のほうは、「10人~19人」と答えたのが34. 6%っていうふうに、アンケート結果が出ております。圧倒的に「10人~19人が頼んでいると頼みやすい」と答えたわけであります。
ここを見るとですね、1クラス10人以上はやっぱり喫食してほしいなって思うんですけれども、それを喫食率にすると何%ぐらいになるでしょうか。
学校教育部長:
はい。概算になりますが、中学校1クラスの平均人数はおよそ35人になりますので、仮にクラスで10人が毎日喫食する場合は喫食率は約29%という数字になります。
矢口議員:
かしこまりました。以前もですね、喫食率30%ぐらいを目指していた時期があったと思います。今回のこちらアンケートの結果からしても29%になると、皆さんの要望からすると。今の喫食率の目標っていうのはあるんでしょうか。
学校教育部長:
はい。現在は喫食率としては、現行の喫食率の維持ということで対応しております。
矢口議員:
はい。しかしですね、やっぱり「クラスで何人頼んでると頼みやすいですか」っていう質問に対して、多くは10人以上と答えているところを見ると、現状の10%の喫食率では、頼みたいっていう子どもたちが実際は頼めてない現状があると想定されます。この点、やっぱり個人的には、ある程度喫食率の目標みたいのを定めるべきかと思います。ここまで保護者・生徒の答える喫食率では29%が食べやすいと。現状は10%。約20%の差があるんですけれども、この違いを埋めるように30%ぐらいを目指すべきだと思いますがどうでしょうか。
学校教育部長:
そちらのアンケートの質問についてですが、2019年度に実施した無料試食会後のアンケートで、この質問の前に、まず「生徒の皆さんがもっと給食を利用しやすくなるために必要なことは何ですか」という質問をしまして、必要と思われる10項目について、必要かどうかを回答してもらいました。
その中で、「クラスで頼んでる人が多いことは、必要・どちらかといえば必要」を選択した生徒は合わせて30. 2%、これは10項目中8番目という、そういう位置にありました。
この中で、この質問の回答で「必要・どちらかといえば必要」を選択した生徒が多かったのは、「給食の味付けを改善すること」とか、「献立のリクエストを取って生徒の希望を献立に取り入れる」、「量が調整できる」、「温かいものを食べられる」、そういうことが必要だというようなことを回答する生徒が多かったと思います。
「クラスで頼んでいる人が多いこと」に関連した二次的な質問として、「クラスで何人頼んでいると頼みやすいか」という項目があって、具体的な人数を回答してもらったところ「10人~19人」が多かったというものですので。これとは別に「今後も注文したいと思いますか」という質問で、「どちらかといえば注文したくない・注文したくない」を選んだ生徒にその主な理由を注文したところ、「給食を頼んでる人が少ないから」という回答は7. 9%で、7項目中7番目になりました。
これらの結果から、議員がおっしゃるような「市が10人を目指すべき」ということと、それを目標にした喫食率、そういうものを設定する必要までは、こちらのほうとしては検討いたしません。
矢口議員:
はい。言いたいこともわかるといえばわかるんですけれども、例えば保護者のところを見ると、「給食を注文したくない理由は何ですか」っていうところで「頼んでいる人が少ないから」っていうのはやっぱり2割はいるんですけれども。この点、もしかしたら「頼んでいる人が30%ぐらいになれば頼める」って人が2割ぐらいいるかもしれないんですけれども、この2割についてどうお考えでしょうか。
学校教育課長:
すいません。喫食率を整えるよりも、給食を利用しやすい環境を整えることの指標として、町田市としては、2020年度の個別行政評価シートにおきまして、給食を利用するために必要となる中学校給食予約システムの利用登録、その割合を成果指標として掲げておりまして、その2021年度の目標を、登録率70%としております。
(町田市「2020年度 課別行政評価シート(学校教育部)」より)
矢口議員:
では利用登録を目標にして、70%でしたっけ、喫食率率は上がっていないんですけれども、それはいいんですかね。利用登録さえ増えれば、喫食率は変わらないとか上がらないでいいんでしょうかも。あとアンケートに、「そのクラスで何人頼んでいると頼みやすいですか」っていうのを設けたのって、喫食率どのぐらいだったらいい環境かな、というふうに思ってこれを作ったのかなって思ったんですね。それで今は喫食率の目標なしですっていうふうになっちゃってると……。以前からさまざま提案させていただいていて、例えば4月から牛乳の選択の有無っていうのをできるように、アレルギーの子とかに配慮ということでやっていただいて対応していただいたところもあるんですけれども。
例えば、次、資料の21番にもまとめてあるんですけれども、例えば冬場は外気温の影響を受けていて。配膳室の温度が低いことで給食の温度も低くなりがちだっていうことは、私はその可能性について、この試食会のときのアンケートの結果から思いまして、調査していただいて。実際にやっぱり冬の間、ご飯が冷たいっていうことがわかりました。今はゼルビアキッチンさんとのコラボですとかそういったところを一生懸命頑張ってくださってるのはわかりますし、魅力あることだと思うんですけれども。例えば冬場は、外気温の影響を受けている点について、保温材を増やすとか、配膳室の温度が低くなりすぎないように、配膳室の室温の工夫。こういったところで少しでもこの冬場すごく冷たいとか、春夏よりも冬が冷たく感じる、こういったところの問題点の改善はできないでしょうか。
学校教育部長:
はい。2019年の4月から、ご飯用のコンテナには保温材を1つ入れて温かい状態で提供しております。ご飯を生徒に手渡す際の温度につきましては、夏場と冬場を比べてもですね、ほとんど変化がないということを実際に確認しております.。そのため、ご飯について保温材を追加する必要はないと考えております。
またおかずのほうなんですが、中学校の給食では「大量調理施設衛生管理マニュアル」および「学校給食衛生管理基準」というのがありまして、適切な温度管理を行うことが定められておりまして、生徒が給食を安全に食べられるように管理することが義務付けられています。
給食の温度につきましては、食中毒菌が増殖しやすい温度帯である20℃台を超えない適切な温度で管理をしていく、そういう必要があると考えております。
こちらの場合はですね、調理してから2時間を超えての提供の場合は、そういうことを十分考慮するようにというふうに書いてありますので、夏場についてもですね、逆に20℃を超えないようにおかず用コンテナに保冷剤を入れて、夏も冬も1年を通じて20℃を超えない一定の温度管理を行うようにしました。そのため、だいたい夏でも冬でも20℃前後で提供されております。そのため積極的に給食の温度を上げることは考えておりません。
矢口議員:
以前実際に温度を測ってほしいということをお願いしてやっていただいたと思うんですけれども、今おっしゃってたのは、おかずは夏も冬も同じ温度になってるっていう答弁だったんですけど。それはそのアンケート調査の後に対応していただいたってことでしょうか。アンケートじゃなくて、その温度調査の後に、20℃前後で、夏冬同じような温度でできているっていうのは……温度を調査したとききは、夏と冬、温度が違ったはずなんですけれども、その後に対応していただいたっていうことでしょうか。
学校教育部長:
こちら、おかずの温度として平均で各月ごとでこちらのほうで計測してみました。その結果、4月は21℃とか、逆にやっぱり夏場の7月とかは23℃というふうな形になっております。それで23℃に上がるような形があるので、逆に保冷剤を入れて下げていると。9月は19℃、12月11月は21℃とかですね、冬場のときでも17~18℃。各月でだいたい平均としてそのような温度があるということで、こちらのほうでは把握しております。
矢口議員:
かしこまりました。ちょっと私も復習しておこうと思います。ただやっぱり冬の17~18℃って、2、3℃って思うかもしれないんですけど、私もここで中学校給食いつも食べてて温度計でいつも測らせていただいてるんですけど、やっぱり2、3℃も違うと結構、口の中に入る感じとしては、違いを感じるところはあると思います。なのでちょっとそこら辺も気にしていただきたいと思います。
あと、保温材の件なんですけれども、こちら夏と冬で温度変わらないっていうことなんですけれども。これはいつどのようにして計測したんでしょうか。
学校教育部長:
はい、保温材というとご飯のほうの保温材ということになるんでしょうけど、こちらは2019年4月からは保温材を1つ入れて温かい状態で提供しているということです。
矢口議員:
はい。入れて提供していただいてるんですけども、2019年4月からといってその後もですね、やっぱり冬だと外気の影響で、ご飯はやっぱり夏より冷たくなってるはずだと思うんです。
そこの辺り、例えば保温材を少し追加するとかそういったことで、あまり冬は下がりすぎないように。「白ご飯温かくて嬉しい」という声も聞かれるので、それが冬になると冷たくなっちゃってちょっともったいないなって思うので。まぁ冷たいほどではないんですけれども、まずその辺り保温材を増やすっていう方策は難しいんでしょうか。
学校教育部長:
はい。現在でもですね、ご飯の温度としましては、本来(保温材を)1つ入れた状態で12月でも32℃、1月でも33℃という数字が出ておりますので、これ以上増やす必要はないかなというふうに考えております。
矢口議員:
かしこまりました。それでは温度の問題はもう既に解消されたのか、ちょっと私も引き続き調査をしようと思います。ありがとうございます。
あと喫食時間についてなんですけれども、以前から喫食時間が短いという声については、見直していくという話があったんですけれども。現在既に20分ぐらいの学校もあれば学校によって15分だったりとか、学校によって喫食時間がバラバラなんですけれども。こちら全校25分を目指すとか、20分だとか、そういうことなのか。それとも今ある学校、全部にプラス5分ぐらい追加するとか、どういった基準で教育委員会としては進めていくのか教えてください。
学校教育部長:
はい。2022年度の給食時間につきましては、2021年10月に中学校長会を通じて各校で適切な給食時間を確保するように依頼をいたしました。それで2022年度には1校で給食時間の変更がございました。これまで、2020年2月の学校給食問題協議会の答申に基づきまして、継続して依頼した結果、この3年間で5校が給食時間を変更して延長しております。
また現状においても、給食時間中食べきれない、そのようなことがあった場合については、昼休み時間も両者食べることができるよう、各学校で柔軟に対応しております。
給食時間の決め方についてですが、それについては文部科学省の定める「中学校学習指導要領に」おきまして、「休憩・給食などの時間については、学校において工夫を加え、適切に定めるもの」というふうにされております。
矢口議員:
はい、かしこまりました。ありがとうございます。学校ごとで、ということで。
あと、この時間の問題にも少しかかわってくるんですけども。配膳室が遠くて1年生が例えば配膳室から一番遠い教室になった場合などは、学校生活に慣れてないときに配膳室まで一番遠いところまでいかなくてはいけなくて。時間的にもそこがなかなかハードルが高くて頼めない、っていう声も聞かれたことがあるんですけれども。
例えば、昼食の時間の前に教室に先に運んでおいておいて、置いておいてあげるとかそういった方法で、少しでも、全クラスじゃなくていいんですけれども、一番遠くて大変なところとかそういったところだけでもそういったサポートをして、配膳の負担っていうのを減らしてあげることができればと思うんですが。特に今、1クラスで1人2人とか頼んでなかったりすると、どうしてもその1人だけが配膳室まで取りに行く、さらにそれがすごく遠いってなるとやっぱり負担になってしまうと思うんですね。その点配膳室の距離っていう問題について、なんらか取り組みできないでしょうか。
学校教育部長:
中学校に届いた給食を、安全に管理して責任を持って生徒に引き渡す、これがまず第一番重要なことだと思います。ですから現在、調理委託事業者が管理する配膳員が直接生徒に渡すこと。そういうことが一番適切であると考えております。
施設面でおきまして例えば、今中学校4校におきまして、現在はエレベーターを使用した給食の各階への配膳というのも行っております。町田市では今後、エレベーターのない学校にバリアフリー用のエレベーターを設置するとともに、中学校全給食の実施に向けた配膳室の改修を予定しております。中学校でこのような環境が整った場合、学校の意見を聞きながら現行給食の配膳に活用することを考えてまいります。
矢口議員:
エレベーターですとか、そういったところが整ったところは検討いただけるってことなんですけれども。そうなるとやっぱり全部の学校ってわけじゃないので、配膳室が遠くて負担という声もこれまでずっと挙げられてきたものなので、ぜひ今後も……。私が提案しているのは、例えば保護者ですか、有償で近所のボランティアさんにお願いするとか、用務業務員さんの委託内容にそれを入れていただくとか、そういったこともあるんじゃないかと提案させていただいているので、引き続きご検討いただければと思います。
(了)