『聖夜前夜①』(続•臣隆妄想劇場82)ショートバージョン
2017.11.14 18:55
「ん…」
スマホの目覚まし音で目が覚めた。
カーテンの隙間から朝日が差している。
隆二の首筋に熱い吐息がかかる。
真後ろに臣が寝ている。
真冬にもかかわらず、二人とも上半身ハダカだが、相手の体温で寒さは感じない。
昨夜の余韻も冷めやらず、体が触れ合っている部分はむしろ熱く感じる。
体に纏(まと)わりつく腕を解(ほど)くと臣が「う……ん」と言って寝返りを打った。
(もうちょっと寝かせといてやろ)
うつ伏せになって寝息を立てる臣の髪をクシャッと触った。
「チューは後でね」
隆二は臣の髪に軽くキスをした。
ベッドから立ち上がり、二人が脱ぎ散らかして床に放置してあった衣類を片付ける。
(昨日も急に火がついて、そのまま…)
隆二は照れくさそうに「すんっ」と鼻をすすり、寝室を出た。
コーヒーをSETして朝食の準備をしながら、今日の予定を確認する。
(えっと…今日はクリスマスの飾りやら食料の買い出しと、健ちゃんのプレゼントも買いに行って…)
パタンっと寝室の扉が閉まる音がした。
(今日は起こさなくても、自力で起きたな)
朝食の準備は、先に起きた方がしている。
スケジュールが異なる日などは一人で先に朝食を済ませ出掛ける。
多忙な二人だからこそ、取れる時はできるだけ一緒に食事をする様にしている。
洗面の扉を開けると、臣がヘアバンドをして髭を剃っている。
「おはよー!メシできたよ」
「…はよ」
(今日はタイミングが悪い…)
(シェービングジェルがたっぷりついてるから、キスし損ねた…)
「ちぇっ」
隆二は軽く舌打ちした。
続く