細心の注意を スミレサイシン
2022.05.16 09:49
(2022/4/22 青森市・梵珠山)
(2022/4/24 青森市・東岳)
(2022/5/15 青森市・東岳)
菫細辛(スミレサイシン)
スミレ科スミレ属/多年草
先端がすぼんで尖った葉の型が"ウスバサイシン(薄葉細辛)"という植物の葉に似ているスミレなので、『菫細辛(すみれさいしん)』。
形容語が一般名称の後につく珍しい例。
ただし、ウスバサイシンがどんな植物(草本)かは良くわからない。多分、こんなハート型の葉を持つのだろう。
スミレサイシンは、スミレの仲間でも、更にスミレサイシン節と呼ばれる小グループに分かれている。
まず、わかりやすい特徴として、地上茎がなく、地面から葉と花が別々に出ているように見える。春咲き雪解けから、花柄が地表の枯れ葉を押し退けて立ち上がり、葉はそのすぐそばから出てきて少し遅れて開き始め、日々段々と成長するにつれて綺麗なハート型になり背丈も花を超え、花が終わってからもどんどん大きくなる。
花柄は濃茶色がかっており、花も葉も立ち上がってこないで低い姿勢のまま。そして、距がぽてっとしている。
変種として、花の色が白い『白花菫細辛(しろばなすみれさいしん)』があり、時々混じって一緒に咲いている。
(2022/5/15 青森市・東岳)
スミレの仲間は、改めて見ていくと、種によって花の模様や型が微妙に違う。
その違いを一つ一つ発見し、学びながら細心の注意を払って見てみると、違いがわかってきて奥が深い。
山路来て 何やらゆかし すみれ草
- 松尾芭蕉 「野ざらし紀行」より