『W旦那+(プラス)』第91話 三代目妄想劇場
2017.12.14 23:00
「ぐわっ‼︎」
こちらへ向かってくる瞬間、
「バンッ‼️」
臣がベッドルームのドアを勢いよく閉めた
「隆二っ‼️早くこっちだ‼️」
隆二の脇に手を入れ抱き起こし、
臣は隆二を支え、玄関へ向かう。
玄関を出たところで後ろを振り返ると、ベッドルームのドアの隙間から、
あの真っ黒な煙がモクモクと廊下に出ている。
「早く❗️こっちだ‼️」
臣が隆二を連れ、非常階段の方へ走る
途中で臣がスニーカーの紐を踏んづけ
前のめりに倒れた
「臣⁉︎」
通路に転がる臣に手を差し伸べようとすると、
「きぃぃぃ…」
身の毛もよだつ鳴き声を上げて悪魔が
二人の近くに姿を現した。
隆二は倒れた臣を守るように上から被さり、悪魔の方を振り向いた。
真っ赤な目はつり上がっていて、
口は耳まで裂け、鋭い牙が見え、
紫の舌がだらんと垂れ下がっている。
見るもおぞましいその形相を目の前にして、隆二は足がガクガクして動作も儘(まま)ならない。
体の向きを変え、小刻みに震える両手を広げ、悪魔と対峙する。
(くそっ…臣だけでも助けなきゃ…)
「隆二…!」
臣は顔を上げ、隆二の肩越しに悪魔を見た。
赤い目が光り
「きぇぇ」
と鳴き声を上げ隆二に襲いかかろうとする
隆二は覚悟を決め目を固く閉じた瞬間…
「ドンッ‼️」
大きな力で真横に弾き飛ばされた
「うわっ!」
隆二を庇うように横に突き飛ばした臣をめがけて悪魔が突進してくる
「うわぁ‼️」
「おみっ⁉︎」
目を閉じて両手を前に構えた臣の体を
悪魔が貫いた…
「臣っ…‼️」
End