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【社長通信】誰かがやらんにゃ

2022.04.20 05:40

新型コロナウイルスが次々と変異してはしつこく生き延びては私たちにウイズコロナを強いている。コロナ禍のなかでのさまざまな制約がいつの間にか私たちの暮らし方に変化をもたらしているようだ。

そんな中、2月24日、ロシアは陸海空からウクライナへの侵攻を一斉に開始した。「プーチンの戦争」の勃発である。新聞やTⅤなどのマスメディアをはじめSNSによるウクライナの情報がメインとなりコロナの情報は影が薄くなったようだ。


山口の桜が満開を迎える頃、福岡に住む娘が孫3人を連れて、ほぼ1年半ぶりの里帰りをした。内孫2人と合わせ小学生5人が爺婆のみの家に盆と正月を合わせたような喧騒を持ち込んだ。

スマホのゲームに夢中になりながらもテレビが伝えるウクライナの惨状を横目に、アニメの劇画でも見ているかのように「プーチンが悪いんだよね」とのたまうのは小3の三女。


そこで思い出したのは、世界で人気の韓国ドラマ「イカゲーム」を孫たちが真剣に観入っていた姿である。金に困り、悲惨な現状から抜け出そうとサバイバルゲームに挑む老若男女のドラマである。

果たしてその意味が分かって観ているのかなと疑問に思ったのである。テレビが報じるロシアによるウクライナ侵攻の残虐な映像もあっけらかんとゲーム感覚で受け止めているようなのだ。


歴史は繰り返すというが21世紀に入った今、このような残虐な侵略戦争がまさか起きるとは思わなかった。この日を機に「それ以外の」ニュースに目がいかないという日々が続いている。

ウクライナ国民4千万人のほとんどが持つスマホからSNS発信される現場情報が世界中で共有され、共感と怒りを呼び、対ロ統一戦線を形成している。

廃墟と化した街、焼け焦げた戦車、遺体の入った黒い袋の数々、恐怖に慄く少女のうつろな瞳に声を失う。見るに堪えない惨状に目をそらすことができず、すぐにこの戦争を止めなくては、誰か早く止めてと心が叫ぶだけで、なす術がない。


核の使用を仄めかし、威嚇するプーチンに対し、手も足も出ない。国連も機能せず、欧米のリーダーは腫れ物に触るがごとく遠巻きに見ているだけのようだ。武力介入はせず、さまざまな経済制裁を実施しているが即効性はない。人類を滅亡させる「核」を弄ぶが如くの権力者がいるこの世界は果たして持続可能なのか、改めて厳しい現実に直面し背筋が凍る。ここは被爆国日本の出番ではないか。日本がやらんにゃあ。


ロシアへの経済制裁はグローバルなヒト、モノ、カネの交易が遮断され世界経済が停滞し大きな混乱をきたしている。原油や天然ガスをはじめとするエネルギー、小麦、トウモロコシ等の穀物など食料の不足により人々の生存が脅かされる。

それ以前に地球温暖化対策など全世界が一体となって対処すべき課題にも取り組めず、人類は自らの生存基盤を失うことになる。孫たちの生きる未来が希望に満ちた平和な世界にすべく、人類の智慧を信じたい。


最後になるがかすかな希望の兆しも見えた。

いつものウオーキングコースにゴミが目立ち気にはなっていた。そんな折に、大きなゴミ袋をもった女性の姿が目についた。日曜日の早朝、御堀橋のたもとでのことである。草むらのゴミを拾い集める若い女性に上から目線?で「ご苦労さん」と声をかけると「誰かがやらんにゃ」と元気な声が返ってきた。「ああ、なんとかなる」と私の心は反応した。

Me, too!!


代表取締役 加藤慶昭(2022年4月18日記す)