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「白に色づく」のはなし

2017.12.14 08:59


こんにちは。

好きな色は紫です。井上瑠菜です。



12月11日をもちまして、露と枕旗揚げ試演会『白に色づく』、無事終演いたしました。

ご来場くださった皆様、携わってくださったすべての皆様、本当にありがとうございました。

(スチール撮影:谷水更様)



さて。

ご来場いただいた皆様も、いただいていない皆様にも。

少しばかり、『白に色づく』のお話をさせていただきたいと思います。



このお話を書くに当たって、ある人との大切な思い出があります。


中学生のある日のこと。

その人と、話した夜のこと。


私はその人のことを、普通じゃないと思っていました。

皆と違うし、とにかくこの世が生き辛そうだと思っていました。

でも、あの日、

何を話したのかなんて覚えてないけど、

笑いながら目を伏せたその人の顔が、頭にこびりついて今でも忘れられません。


自分を理解されない苦しさとか、生き辛さとか、その人の感じてきた全てにボディブローくらった気分でした。


何だか悔しくて泣いてしまった気がします。

私もその一員だったこと。傷つけた一人だということ。今でも傷つけてしまっているかもしれないこと。



私は違う、と思っていました。

でも前提として「普通じゃない」と思っていて、それだけで私には罪があるのだと感じさせられました。

言葉ではない。その人の、一瞬見せた、あの表情だけで。


今回、この思いがどれだけ描ききれたか、自分の実力不足を痛感しておりますが、

今あるすべてを使って表現させていただきました。


私はあの作品の、わからなさ、不明瞭さを何より愛したいと思っています。

お楽しみいただていたら、この上なく嬉しく思います。






最後に。

いつもありがとう。あなたは普通の、私にとって大切な人です。