「OUR HOME」Carl Larsson 1853-1919
日本でも多くの愛好者がいる北欧のデザイン、その中のスウェーデン・デザイン(グスタフスベリ、ロールストランド、クリッパン、オーレ・エクセル、スティグ・リンドベリ、リサ・ラーソンそしてIKEA)、その源流のひとつにはこの画集、カール・ラーションの「OUR HOME」があるということはご存知でしょうか。
19世紀末、ウィリアム・モリスによるアーツ・アンド・クラフツ運動が北欧諸国にも紹介される中、1897年にストックホルムで産業展が開催され、そこでカール・ラーションの住宅/インテリアを描いた水彩画が展示されました。この絵は1899年に画集にまとめられ出版されますが、その画集がこの本「OUR HOME」なのです。
この画集はラーションが家族とともに暮らすスンドボーンの自宅の様子を描いたもので、のどかな自然の中で生活をする家族の姿、そして特に注目すべきラーションの家のインテリア/内装のデザインが見て取れます。
テキスタイル、内装デザインは妻であるカーリンが手掛けているのですが、それはそれは素晴らしく、モリスが理想とした生活がこの北欧の地で実現されているようにさえ感じられます。
家の中には緑や花が多く飾られ、またその自然物を模倣する美しい装飾文様も、至る所に見られます。
またこの画集はただの画集ではなく、絵本のように、見開きで一方のページがテキスト、もう一方のページが絵と言った体裁になっており、テキストはラーションがこの生活について記した文章で、描かれた内装の説明やこの家での生活について触れられています。
北欧のデザイン、単にデザインと言った枠よりももっと大きな、北欧スウェーデンの生活スタイルの源流であり、理想のひとつとなっているのが、この画集なのです。
とてもおすすめの本なので是非オンラインストアの方でもご覧ください。
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「OUR HOME」Carl Larsson 1853-1919
またこの記事を書くにあたって雑誌「BIOCITY」2017年No.72の西上ありささん(studio-L)の記事「福祉国家スウェーデンのデザイン力」を参考にさせて頂いております。この記事はスウェーデンデザインとその福祉の関係について書かれたもので、ラーションについても当店のこの記事よりも詳しく書かれておりますので、ご興味ある方はこちらも是非お読み下さい。