ガーデン葬
2022.04.23 11:52
今日、ご法事の墓参りで近所の霊園に行ったところ、その一角が工事中でした。どうやら樹木葬の区画を新設するようです。
私が様子を見に行くを、法事に参列された方々も後をついて来られました。
中央には円形の石組があり、私が「個別に植樹するのではなく、おそらくあそこにシンボルツリーが植えられると思います」と説明すると、参列者の方が、
「限られたところしか木がない。まるで大きな鉢植えですね・・・」
と、仰っていました。
どうやら、樹木葬という言葉から、壮大な自然葬のイメージを持たれていたようでした。
元来の樹木葬は、岩手県で里山の保全を兼ねることを目的に始められたと言います。
それと比べると、この霊園では人為的に作庭して管理された環境で、あらかじめ決められた区画に埋葬するため、「周りに迷惑をかけず、自然に還る」というイメージには直結しにくいようにようにも感じます。
私は
「そうですね。これは樹木葬というより〝ガーデン葬〟かもしれませんね」
とお答えしました。
近年の埋葬で最もシェアを伸ばしているのが樹木葬だと言われていますが、おそらくそのほとんどは、この「ガーデン型樹木葬」でしょう。
企画や広報、運営も含めて、現在の樹木葬の実態が、「自然葬」というイメージとは多少異なる可能性があることは、踏まえておいた方が良いように思われます。(住職 記)