No04:どたどた。
2017.12.22 22:00
屋根裏の空間には畳をひいている。
縦長の空間は子供達にとってかっこうの秘密基地になるようで
どたどた走り回る音が一階まで響く。
その音を聞いて怒る母親の声と、ますます笑う子供たちの声が家中に響く。
痺れをきらして母親が屋根裏にあがって、逃げる子供達はどんどん音をたてて走り回る。
平和でいいじゃないか。
座敷わらしがいたらきっとこんな感じなんだろう。
子供はどこでも遊び場に変えられる。
いつの間にかそういう心をどこかに忘れてきたような気がする…
思い立って、畳の上を思いっきり走ってみた。
…腰がものすごく痛くて痛烈に歳を感じた。
大人には大人の楽しみ方があるなと思い、今度は徳利とぐいのみを持って座った。
窓から月が見えた。
月見酒!そうそうこれこれ!これこそ大人の楽しみ方!
そして気がついたら寝ていて、翌朝風邪をひいた。
まだまだ子供だなと思った。