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真言宗 光堯庵 (ひかりぎょうあん)

護摩とは1 護摩の由来 (全3回)

2022.04.24 05:32

護摩とは供物を火中に投じ、諸尊に供養する修法のことで、サンスクリット語のホーマhoma(焼く、焚くの意)の音写です。インドでバラモン教において古くから行われた祭祀法であり、今日でも広く行われています。それは、供物を祭壇の炉中に投げると、火天アグニの手により火炎となって天に昇り、天の諸神の口に達し、諸神はそれにこたえて人間の願望をかなえてくれるとの信仰に基づいております。この儀式を密教が摂取し、災いを除き福を招くという世間的願望に加えて、その奥にあるより高度な精神の解脱を成就しうるように組織したものが、現在、密教寺院で修されている護摩です。すなわち、不動明王や愛染明王などの本尊の前に、火炉のある護摩壇を置き、規定の護摩木を焚き、火中に穀物などの供物を投じて本尊を供養する修法のことをいいます。
『大日経』「世出世護摩法品」には、世間の願望のみを目的とする外道の44種の火法を批判し、火の真性を明らかにしています。このように精神面が重視されるに及んで護摩に2種の法が説かれるに至りました。すなわち、壇を構え炉に供物を捧げる形式を外護摩(げごま)、自身の無明煩悩を転じて如来の智火とし、妄分別(みだりにとらわれること)を焼除して浄菩提心を成ずるのが内護摩(ないごま)であると説いて、外護摩にはかならず内護摩がそなわり、内護摩にはかならず外護摩が伴うものとしています。

(3-2へ続きます↓)