漢字が大好きなイタリア人の例
日本語学習中のイタリア人高校生のお話です。
ゼロから日本語を学習しメキメキ上達中で、びっくりするほど漢字を知っています。
一体どうやってこんなに漢字を覚えたのか尋ねてみたところ、毎日1時間半漢字を書いて覚えていると答えてくれました。
今は学校があるので1時間半だけれど、夏休みは毎日3時間漢字や日本語の文章を書き写し練習していたとのこと。
聞いてるだけで腕が痛くなりそうですが、本人は漢字が大好きでどんどん覚えたいそうです。
漢字が好きすぎて、作文もやたら漢字を使うので、明治時代の文豪みたいになっていましたが、これだけ覚えたらすごいと感心しています。
書けば覚えるタイプであること
本人が自分の意思で勉強していること
日本の大学に進学し、日本で暮らしたいという明確なモチベーションがあること
漢字は面白いと思っていること
イタリアの高校の成績は全く問題なく、かなり優秀な生徒であること
彼の特徴としてはこのような点がありますが、日本語を勉強する明確なモチベーションもなく、親に言われて義務的に漢字ドリルをやっている、漢字なんてウザいと口にするような、まだ幼い小学生には、この方法をそのまま当てはめるわけにはいきません。
海外で継承語を学んでいる小学生には、毎日1時間半漢字を書くなんて、単なる嫌がらせにしかなりません。
大事なのは「1時間半」ではなく「毎日」というところです。
子どもに合った分量と内容で、悩まず苦しまず、適当な時間内に終われる難易度で読み書き学習する習慣をつけると言う意味です。
現地校の勉強や他の習い事で忙しいので、補習校の前日に宿題を一気にやる、夏休みなど時間の取れる時にまとめて日本語学習に取り組むという方法で、日本語学習をコンスタントに継続できた例は多分ほとんどないのではないかと思います。
一気にやっても子どもは必ず忘れます。
毎日やっても翌日も完全に覚えている子ばかりではありません。
でも、毎日繰り返すことを続ければ、決して忘れない漢字が少しずつ増えていきます。
「なんで漢字が覚えられないの!」と親子で喧嘩したり、とほほな気持ちにならないで、コツコツ続ける、続けられる工夫をしながら、間違えても大丈夫、ここまで覚えたら次もできるよと励ましてあげてください。
その子に合った教材やドリルを吟味することも当然ですが大切で、例えば鉛筆で書くことが負担になる子ども、集中力が続かない子どもには、その子に合う方法やデバイスをできるだけ早く見つけてあげることも大切かと思います。