近代アジアの動乱4-インドのキリスト教化
2022.04.26 11:14
他のアジア、アフリカ諸国と同じように、イギリスのインド支配にはやはりキリスト教が関与している。東インド会社役員会議長で福音主義者のチャールズ・グラントはイギリスの支配は「闇と悪徳と苦痛に沈んでいた人々に、真実の光と恵み深い力を、秩序ある社会の恩恵を、活発な産業の恩恵を与えるため」と言った。
インドには賢い人も居るのに、なぜこのように遅れているのか、それはインドが多神教に染まり、キリスト教が普及していないせいだというのである。イギリスは支配するやさっそくカルカッタ主教をつくり、インドをキリスト教化、そして多言語社会のインドに英語を公用語としてしまう。
福音主義者達は、イスラエル人が神から選ばれたように、イエス・キリストの全世界宣教の使命を神から任されたのは、イギリスだと考えた。イギリスが支配するのは神の摂理である、と。かつてスペインやポルトガルがそう考え、今はアメリカがそう考えている。
T・Bマコーリーは、血と肌の色はインド人でも、モラルや知性の面ではイギリス人にせねばならないと言い出す。やがてイギリスの支配は、現地宗教的習慣とぶつかり、インド大反乱を引き起こすが、福音主義者達は、これもキリスト教を普及しない罰だと考え、ますますキリスト教化をしようとした。