第1回十字軍10-最初の十字軍国家誕生
2017.12.16 14:47
ニカイアで敗北したルームセルジュクのアルスラーンは、今度は道の狭いドリュラエウムで待ち伏せ攻撃をした。しかしトルコは軽装で馬上から弓を射る戦法で、狭い道ではかえって西方の重装騎兵に対して不利だった。おまけに先鋒は戦いの鬼のノルマン兵で、アルスラーンは何もかも投げ出して逃げた。
その後十字軍は、セルジュクの焦土戦法や、天候にも悩まされるが、南部の古都コンヤに到達した。ここで本隊は一息ついたが、決起盛んなボードワンとタンクレードが近道を行くと別行動をして、タルススを奪取したり、数々の軍功を立てた。これが評判となり、戻ったボードワンに出世の道が舞い込んだ。
古都エデッサ、ここはローマとペルシアの戦いの地であったが、最初にキリスト教を受け入れたアルメニア人の王国でもある。かつてここに聖骸布があったと伝えられる。その王トロル公爵がボードワンに白羽の矢を立てたのだ。ボードワンはエデッサに行き、伯爵の養子となった。そころが、そこで反乱が起き、トロルが殺害された。
ボードワンは、頭の切れる男で、反乱者と話し合って収め、引きついて統治者となった。1098年、ここに最初の十字軍国家エデッサ伯国が誕生した。この国は、さっそく十字軍の防衛線となり、皆の領地への野望を掻き立てた。
下はボードワンのエデッサ入城