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徒然piano

脱力とはいうけれど

2017.12.21 00:10

 「脱力」=力を抜く、ではなくて、余分な力を加えないこと。

 ピアノを弾く時に意識しなければならないこと。


 これは私にとっても永遠の課題です。

 ピアノを弾いているとよく聞くこの「脱力」ですが、これは最終目的までの手段だと思っていて、

最終目的とは、身体の中心からピアノに触れる指先まで「身体をしなやかに動かす」こと。

これをするために「脱力」が必要であり、余分な力が入っていると邪魔になるのです。

言葉で言うと漠然としているのですが。 

 

 新しい曲に入ったときの譜読みの途中やまだ指の動きが慣れていなかったり、習い始めだったりすると、力が入りやすく、すぐ疲れてしまったり、動きにくく、音も良くなく、痛くなってきたりすることもありますが、このままの状態で弾き続けるといいことがありません。


 鍵盤を抑えなくてはならないのですから、全身の筋肉を使わずにだらーんとすることとはちがいます。

 弾く曲にもよりますが、指の爪寄りの関節と手の甲の関節は一番大事なところ。

ここは、頻繁に意識が行き、力を入れたり抜いたりしているところです。

 でも、ピアノの演奏は、手、または腕だけで弾いているわけではありません。

 



 私は、趣味でテニスをしているのですが、コーチに力を抜くことをいつも言われ耳にタコです。

 ここで言われることがピアノに置き換えることができることばかりなので、少しお話します。


「あーそれが無意識にできたら世話ないんだよなぁ・・。」と思ったりするのは、ピアノもテニスも同じなのです。


 テニスでは、最初に身体の中心の「体幹」がぶれずにしっかりあって、そこからまず骨盤を回し→胸が動いて→肩がくっついて動き→引きずられるように腕(肘)が動いて→手→ラケットと、そんな連鎖があります。これだけの連鎖があってはじめてパワーが伝わります。

 これ、頭でわかっていても、気がついたら楽をしようとしてるのかなんなのか、手だけ、腕だけの打ち方になってしまって、結果、一生懸命打っているのに、なんか飛ばない、スピードのあるボールが打てない、なんてことに。。

 ましてや、レベルの高い人とラリーをしようもんなら、それだけで力が入ってしまうのですよ。。(あ、これ、レベルの高い曲を弾くときと同じ!?)

 レベルの高い人とラリーをするほど、レベルの高い曲を弾く時ほど、余分な力を抜くことが必要なのに・・。

 このやり方は燃費も悪いし、いつか体を痛めそう。

 

 意識して体幹から骨盤の連鎖でラケットを振った時、そう何回もないのですが、打った感じがすごく軽いのにスピードのあるボールが打てたことがあって、びっくりしました。

 まぐれでも嬉しかったのですが、体力もないしでそうそう何回もできない・・。

 この感覚なんだろうなぁと思うので、これが毎回できるようにするのが目標なのですが・・。


 テニスのような腰を中心に回すというスポーツとは少し違いはあります。

 でも、全身を使うという大きな観点だと本当に似通っていることが多く感じます。

 また、テニスでは、ラケットにガットが張ってあり、それがクッションとなって衝撃を抑えたり反対にパワーを生み出します。

 これがピアノでいうと、微妙な力加減の腕や指、手首などでクッションを作り、感覚的にそれをしているような気もします。

  

 ピアノでもまず、おへその周り、腰、背中と体幹があって肩→腕→手首→指先となっているはず・・なのに、身体カチカチではこれができません。

 だから、脱力しなければならないのです。


 それに、もうひとつ。

 この脱力としなやかに身体を動かす連鎖の中に必要なもの。

「呼吸」です。


これについてはまた後ほど・・。

いつも力が抜けているように見えるフェデラー