小乗仏教と大乗仏教の違い(3-1) 2022.05.18 03:00 ・小乗仏教とは?まず「小乗」とは、小さな乗り物ということです。小乗仏教といわれるのは、小さな乗り物のような仏教ということです。 なぜ小さな乗り物といわれるのかというと、その理由は2つあります。 まず1つ目は、小乗仏教の場合は、出家した人は、まず瞑想などの自分の修行をすることを優先して、自分が悟りをひらくまでは他人を救おうとはしないからです。 出家していない人は、僧侶の集まりに布施をして、僧侶の修行をサポートします。しかし自分も修行しない限り、救われるわけではありません。出家して修行した人しか救われず、出家した人は自分の幸せを優先する、小さい乗り物のような教えなのです。 このように教え、実践するのは、部派仏教とか、上座部(テーラワーダ)仏教といわれる仏教の宗派です。現在は、スリランカを中心に、タイやミャンマーなど、東南アジアに広まっています。 しかしこれは他人事ではありません。このような自己中心的な考え方をしてしまえば、大乗仏教の広まっている日本の私たちも同じです。現代の日本でも、自己啓発やビジネスで、「自分が幸せではないのに、人を幸せにできるはずがないから、まず自分が幸せになっていいのですよ」と教える人があります。これは小乗仏教的な考え方ですが、説得力があるようで、聞いた人の心にも心地よいので、信じてしまう人があります。小乗仏教は私たちの心にとてもよく響き、受け入れやすいのです。 しかし、もしそうだとすれば、自分が幸せになったと思うまでは自分を優先することになります。人間の欲望は無限なので、なかなか自分が幸せになったとは思いません。結局、自己中心的な考え方で終わってしまいます。これは私たちが非常に気をつけなければならないことなのです。 (その2に続く↓↓) 小乗仏教と大乗仏教の違い(3-2) 法話 ~なかなか知り得ない仏教のお話~