4月に読んだ本
4月に読んだ本たち。
魔術 理論編 デイヴィッド・コンウェイ
魔術 実践編 デイヴィッド・コンウェイ
病むことについて ヴァージニア・ウルフ
掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン
少年 川端康成
ぼくは12歳 岡真史
書きあぐねている人のための小説入門 保坂和志
幾度目かの最期 久坂葉子
焼跡のイエス・善財 石川淳
以上、9冊。
今月は小説を書いていたのもあって、あまり数は読めなかったけれど、どれも面白い本で充実した読書ができました。
今Twitterで人気のルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』はとても良かったです。短編集なのですが、どの物語も上質なミニシアター系の映画を観ているよう。軽快な文章のリズムや一瞬ごとに鮮やかな色彩が見えるようで、読んでいて心地よく、楽しい。中には重たい内容の作品がありますが、それも彼女の軽やかな文体で深刻になりすぎず、すっと入ってきます。翻訳が凄く良いのもあるのかな。
最近、もう一冊ルシア・ベルリンの作品集が出たのでそのうち買って読みたいです。
『書きあぐねている人のための小説入門』は読んで目から鱗が落ちまくりでした。丁度、大藪春彦新人賞に応募する原稿を書き終えた後に読んだので、色々と考えさせられました。作品を応募するのを辞めようかな、と思ったくらい。まあ、出しましたけど(笑)でも、それくらいにはショックというか、衝撃を受けました。内容的にはエンタメ小説より、純文学の書き方といった感じ。私自身もエンタメよりは純文学を書きたいなあと思っているので、この本はかなり参考になりました。もっともっと私は小説を書くことについて勉強や研究が必要なので、これからも精進していきたい所存。
岡真史の『ぼくは12歳』はTwitterで見かけて、気になって読んでみたのですが、こちらの詩集はほのぼのとした作風で一見するところ微笑ましいものが多いですが、良く読むと寂しさや遣る瀬無さが言葉の裏に見え隠れする。
『ひとり』
ひとり
ただくずれさるのを
まつだけ
『ぼくはしなない』
ぼくは
しぬかもしれない
でもぼくはしねない
いやしなないんだ
ぼくだけは
ぜったいにしなない
なぜならば
ぼくは
じぶんじしんだから
(『ぼくは12歳より抜粋』)
最後に『ぼくはしなない』という詩を書き残して、自ら命を絶ってしまった12歳の彼。彼の自殺の理由は解からない。想像でしかないけれども、遺された詩やご両親の手記を読む限り、彼は真実に似た絶望を見てしまったのではないかと思うのだ。
この詩集は何だか不思議な感じで、独りになりたい時に読みたくなる。ひっそりと孤独なり、孤独を感じ、寂寥に身を浸す。そうするとふっと自分の内面が凪ぐ。とても静かになる。落ち着かない時にまた読みたい本です。
川端康成の『少年』も面白かったです。個人的に全集でしか読めない『狂った一頁』もぜひ文庫化して欲しい。読みたくて図書館で探したけれど、見つからず。探し方が悪かったのかなあ。もう一度、探してみよう……。Amazonプライムで映画を観て、衝撃を受けました。サイレント映画(モノクロ)だし、謎なシーンが多くて色々と妄想してしまう。能面をつけた人がずらっと並んだシーンは気持ち悪くて凄いです(褒めてます)。まだAmazonプライムで見られるのかな。もう一回見たい。
Twitterにそれぞれ読んだ本の感想はあげているので、気になる方はそちらも宜しければ見てください。
上記の9冊の中で気になった本があれば、コメントやTwitterの方で教えてくださいね。
来月はもっと沢山読めたら良いなあと思っています。