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旅のチカラ、旅のカケラ

無茶と無謀の境界線

2008.07.27 06:30


目を覚ますと6時だった。

昨日の疲れのせいか、ひどくうなされ、

自分の叫び声で目を覚ました…。

足よし、肩よし、腕よし。

どこも異常なし、今日も行ける!


まずは朝の散歩がてら、

仏教とヒンドゥー教の聖地である「ムクティナート」を目指した。

片道1時間、これくらいなら文字通り朝飯前だ。

ヒンドゥ教の最高神の一人ビシュヌ神を本尊とし

108 の聖水が流れる「ムクティナラヤン」や、

観音菩薩の下に天然ガスの青白い炎が揺れる「ジョラムキ・ゴンパ」、

そしてインドからチベットに密教を伝えた

グル・リンポチェが瞑想したという「ナルシン・ゴンパ」

などの寺院が並び、
巡礼者の絶えない聖地である。


さすがは聖地。地の果てという景色が広がっていた。

たくさんの巡礼者やサドゥを見かけ、ありがたみが増してきた。

ここは1992年まで外国人の立ち入りを拒んでいた

旧ムスタン王国の入り口でもある。


ムスタンの歴史は、9世紀のチベットにおける吐蕃王国滅亡にともない、

その子孫たちが西チベットへ移り住んで建国した

ンガリ王国に始まるとされている。

その後、ムスタンはチベットで産出される良質な岩塩を

インドへと運ぶ交易路「塩の道」の中継地として発展した。



旧ムスタン王国の都ローマンタンはここから遥か先だが、

何年か先にきっと訪ねてみようと心に誓った。



そしてもう1つ。冷たい水で顔を洗い、

ずっとモヤモヤしていた思いに決着をつけるときは今だと決めた。


「よし、歩いて帰ろう」


うすうすというか、きっとこうなるだろうなと思っていた。

飛行機が飛ぶ確率は20%、

そして今日もフライトはすべてキャンセルだった。

そんな薄い望みを2度も叶える自信はない。

ましてや、もし飛行機が2、3日飛ばなかったら…(汗)、

この後の行くイエメン、トルコの航空券がパーになる。


だったら歩いて帰るのが賢明ではないだろうか?

無茶と無謀は違うと思っている。

たしかにポカラまで歩いて帰れば80㎞近い距離がある。

残された日数は今日を含めて4日。

1日平均20kmである。


できそうか?


いや、昨日あれだけ苦しんで12、3kmだよ…。

これは無茶だ。でも無謀ではない。

無謀とは、何の作戦もなくただ突き進むこと。

ありったけの情報を集めて(すでにかなり集めてある)、

80㎞を克服しようじゃないか。


そうと決まれば急がねば。

ここはヒマラヤ山脈。世界の屋根が太陽を隠してしまう。

暗くなったら1歩だって動けやしない。

今日は下り。いっきにスタート地点のジョムソンまで駆け下りた。

昨日8時間かかった距離を、なんと4時間を切る速度で戻ってきた。


あと少し、もう少し。

日はまだ高い。

もう3~4km稼いでおくとしよう。

(つづく)