菓子工房づくり⑦
※菓子工房づくり①〜⑥の続編です。
ここまで来たら
いよいよ製造許可申請の一歩手前。
やるべきことを振り返ります。
①二層シンクの設置
▶︎DIYシンクの他、途中で舟形シンクを譲っていただきました。これら2つを一層ずつ設置でクリア。
②レンジフードの設置
▶︎ガス機器の上にDIYフードを設置し、クリア。
③厨房内に手洗い場の設置
▶︎台所と隣接する風呂場も製造所としたため、もともと風呂場にあった手洗い場でクリア。
④厨房を、厨房以外の場所と一定の区画をする
▶︎DIYドア(襖ドア&どこでもドア)で区画クリア。
その他もろもろ
○ガス周りに耐火性のある素材を貼る。
○床に耐水性のシートを貼る。
▶︎ステンレスシートとフロアシートを貼り、クリア。
◯水道のレバー
2021年6月より、営業許可における水栓に関する改正点があります。
水栓は「洗浄後の手指の再汚染を防止できる構造を有するもの」が求められ、つまり水栓に手指が触れることなく操作できるもの、レバー式又はセンサー式である必要があります。
▶︎現状ですと風呂場のシンクと手洗い場のハンドル式蛇口。こちらを、ホームセンターで購入したレバーハンドルに付け替えてクリア。↓
◯冷蔵庫と収納扉付き作業台
なな、なんと全て譲っていただいたものを磨いて設置…おぉ、ありがたき、クリア。。。
ちなみに、食材や調理器具は製造所内に保管し、保管場所は吊り棚 又は 自分の目線より下の背丈の収納棚(扉付き)に収めること。
でも蓋付きの密閉型収納ボックスやドライボックス等でも良いのではないかな?と、透明タイプでキャスター付きのそれらも配置しました。
この収納の方が、粉類や菓子の型は中身も可視化できて、ステキに収納と日常使いが出来て、衛生的だと私は考えています。
◯冷蔵庫内に温度計設置
ちょうどパンの発酵器を自作した時に購入した、隔測温度計を冷蔵庫にも設置。
◯製造所の照明
以前の東京の住まいで使っていた照明器具、そのまま使えて設置クリア。(傘のように吊さるタイプなど、埃のつもるものはNGです)
幸い水道工事は必要なく済み、
最後にガスと給湯器の設置工事をガス会社さんにお願いする。
これにて一年ぶりに保健所へと向かいまして
手書きの製造所図と申請書類とお金を握りしめ、
製造許可申請をいたしました。
そして2週間後に現場の審査が入りまして
指示箇所も問題もなくクリアとなり
2022年4月
おやつのココロ misorado
無事に
「菓子製造業の営業許可」取得いたしました。
うわーい!
イベント出店やオーダー受けは可能となります。
ちなみに、2021年6月の食品衛生法改正に伴い、菓子製造業枠で出来ることが広がりました。
大きい変化は、菓子製造許可で調理パンの製造もOKになったこと。(今までパン屋さんは、販売内容によっては菓子製造許可と飲食店許可をダブル取得せねばならぬという、そして管轄によって判断もグレーな状況)
そしてお皿にケーキをのせて、コーヒーなどの飲み物をつけてイートインで召し上がっていただく、こともOK。(保健所のおじさんにもしつこく聞いてみましたが、マジでした。これにはびっくりだ…)
なのでテイクアウト一本のつもりでスタートした製造所づくりでしたが、
「出来ること」を存分に生かしていこうじゃないかと考えています。
それにはまだまだやることがありまして
家の補修、掃除、テイクアウトの売り場づくり。
少し食べられるスペースづくりも視野に。
さらには、自然食品も販売できるように。
この場所を集える場にするには、
もう少し時間がかかります。
今は新しく入れたガスオーブンと急ピッチでお友達になるべく、パンや菓子を焼く練習をしつつ、引き続き隣の部屋のDIYです。
製造許可を取りたいけれどいろいろ基準があってなんだか難しそうだ…とお悩みの方。
自分がどんな場所で気持ちよく食べ物を調理したいかを考えて、衛生法の基準と見比べながら制作していけば、そんなに難しいことはないかと思います。
基準には然るべき理由がありますし
場所の構造上無理な項目があれば、代替え案をもって保健所へ相談しにいくと良いですね。管轄や担当者の方の判断にもよるかと思いますが、わたし的には、意外と柔軟に対応してくれるなぁという印象です。
製造所にかかった費用としてはざっくりですが
◯ドア…6000円
◯レンジフード…60000円
◯フロアシート、壁シート…15000円
◯その他木材など…10000円
10万円以内。
(同時進行で行っている隣接する部屋の床材張り、漆喰塗り、丸ノコなどの機材購入は別枠です。)
そして導入したシンク、ガス台、作業台、家庭用冷蔵庫は全て譲っていただいたものを使わせていただき、
新調したのは卓上型のガスオーブンのみで、初経費を抑えることができました。
こんなちっぽけで経験も浅くてビンボーなわたしが
この一年で得たことを備忘録する。
「やりたいことしかやらない人生」と「幸せをはたらく人生」を送るためには
①やりたいことの明確化
②ふと目の前に現れたチャンスをしっかり握る
③与えられた機会を断らない
④どうやったら出来るか、それだけを考え続ける
⑤手足で作り上げていく
それしかないのだということです。
それこそとおるちゃんが頑張ってくれて
たくさんの人の力を借りて、出来上がった大切な場所。
手づくりする過程で、できることがはるかに増えて、出会った人たちも増えて、捨てられそうになったモノを再生して、とても豊かな気持ちになりました。
製造所は必ずしも大きな工事を入れないと作れないわけではない、
まだまだつづくよ。